神奈川県教委とNTT東日本、災害時の学びを保障するICT支援で協定
神奈川県教育委員会とNTT東日本神奈川事業部は2025年3月28日、「災害時における学びの提供のためのICT支援に関する協定」を締結したことを発表した。大規模災害発生時に、児童生徒の学びを保障するためのICT支援を円滑に行うことを目的としている。
神奈川県教育委員会と東日本電信電話(NTT東日本)神奈川事業部は2025年3月28日、「災害時における学びの提供のためのICT支援に関する協定」を締結したことを発表した。大規模災害発生時に、児童生徒の学びを保障するためのICT支援を円滑に行うことを目的としている。
協定のおもな内容は、「物資集積場所等での新端末の初期設定」「指定避難所等での児童生徒・教員への学習用情報機器設定等にともなうサポート」「学校活動再開後の授業のオンライン配信に関する支援」「そのほか公教育におけるICTに関する技術支援」の4点。
避難所などでの学習用端末の設定サポートや、学校再開後のオンライン授業支援など、状況に応じて可能な範囲で物的・人的支援を行う。協定により、大規模災害が発生した際にも、児童生徒の学習機会を確保するためのICT環境整備が迅速に行われることが期待される。
【綾瀬市】【綾瀬市】 1人1台端末の利活用に係る計画
1.1人1台端末を始めとするICT環境によって実現を目指す学びの姿
小・中学校学習指導要領(平成29年度告示)においては、「児童(生徒)が、基礎的・
基本的な知識及び技能の習得も含め、学習内容を確実に身に付けることができるよう、児
童や学校の実態に応じ、個別学習やグループ別学習、繰り返し学習、学習内容の習熟の程
度に応じた学習、児童の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習な
どの学習活動を取り入れることや、教師間の協力による指導体制を確保することなど、指
導方法や指導体制の工夫改善により、個に応じた指導の充実を図ること。その際、第3の
1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。」と示されている。
また、中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供た
ちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(令和3年1月)では、
個に応じた指導を学習者の視点から整理した概念である「個別最適な学び」と「協働的な
学び」を一体的に充実すること、2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教
育」の姿として、これまでの「日本型学校教育」の良さを受け継ぎながら更に発展させ、
学校における働き方改革とGIGA スクール構想を強力に推進しながら,新学習指導要領を着
実に実施することが記載されている。
これらを踏まえ、本市では、「文房具の一つとしての1人1台端末の活用」を目指して、
指導方法や指導体制の工夫改善により「個に応じた指導」の充実を図るとともに、児童・
生徒の一人ひとりの興味・関心に応じた取り組みを推進し、学習の自己調整に繋がるよう
コンピュータや情報通信ネットワークなど情報手段を活用するために必要な環境を整備す
る。併せて、デジタルドリル等の学習履歴を通じて、振り返り等の自己調整の材料となる
ように環境の整備を進めていく。
また、授業支援ソフトを導入し、児童・生徒それぞれが思考したことを円滑に共有する
ことや共同編集等を通じ、それぞれが思考したことの良さを認め合うことや、異なる考え
から新たな学びを生み出すことができるよう学習展開を進められるようにしていきたい。
2.GIGA第1期の総括
本市においては、令和2年度よりデジタルドリルを導入し、GIGAスクール構想の実現に
向けて動き出した。端末に関しては、社会で広く利用されていることや、将来的な活用を
見込めることから、Microsoft社のWindowsタブレットを導入した。
また、校内ほぼ全域でWi-Fi通信ができるよう無線アクセスポイントの導入や、児童・生
徒に拡大して資料を提示するためのプロジェクターの配備等、タブレット端末が効果的に
活用されるよう周辺環境の整備も積極的に進めてきた。
Wi-Fi通信やプロジェクターに関しては、教職員からの評判が良く、一般社会でも広く取
り扱われていることを考えると当たり前のこととも言えるが、Wi-Fi通信は日常的に利用さ
れており、特に意識せずに活用が進んでいるものと捉えている。プロジェクターに関して
は教職員を中心に授業で活用される機会が非常に多く、特に授業の課題提示や教材の可視
化が有効とされている。
本市で導入したWindowsタブレットに関しては、様々なアプリケーションがインストール
されており、各アプリケーションによる効果的な授業実施や、これまで活用してきた
MicrosoftOfficeのより一層の活用により様々な授業改善が図られてきたところであるが、
その一方でアプリケーションやOS等を常に最新版にアップデートする必要があるため、イ
ンターネットの負荷やアプリの安定性等の都合から、円滑に授業でタブレットが使えない
ことが課題となっていた。
これらの課題に対し、本市としては、①OSの変更、②通信ネットワークの増強、③デジ
タルドリルの見直し及び授業支援ソフトの導入、の3点を対応策としてあげ、課題の解決
に取り組む。
ChromebookやiPadを導入している他の市町村では、インターネットの負荷やアプリの安
定性等の課題は、本市と比べると極めて軽微なことが確認された。他の市町村と比較して
も、ネットワーク環境に大きな違いがないことから、OSの変更は本市の課題解決において
有効な手段と考えられる。
そのため、WindowsタブレットからChromebookへの変更を行うことで、インターネットの
負荷軽減やアプリの安定性確保等の課題改善に繋げていきたい。
併せて、通信ネットワークの増強を行うことでより安定したネットワーク環境を提供し、
児童・生徒及び教職員のより一層安定した学習環境を整えていきたい。
また、デジタルドリルの見直し及び授業支援ソフトの導入に加え、研修や活用事例の紹
介等の学校への支援の充実を実施する。
デジタルドリルは、令和2年度の導入時と比べるとこの短期間で進化し、AIを搭載した
新しいタイプのものが増えている。現在利用しているデジタルドリルと他のデジタルドリ
ルを比較すると、できることの幅が大きく異なっており、別のデジタルドリルに変更する
ことで児童・生徒の学習履歴を基にそれぞれに沿った学習支援が可能となる。
併せて、デジタルドリルと連携している授業支援ソフトも導入することで、授業支援ソ
フトによるタブレットの効果的な活用の促進に加え、デジタルドリルとの連動や様々な学
習データの蓄積を行うことができるため、デジタルドリルと授業支援ソフトを組みわせた
活用推進に加え、蓄積された学習データを基にした児童・生徒それぞれに応じた支援の充
実に期待できる。これらは、今後の教育データのダッシュボード化の動きにも対応するこ
とになり、将来的に考えても積極的に導入を進めていきたい。
3.1人1台端末の利活用方策
(1)基本的な方針
本市においては、「2.GIGA第1期の総括」で記載した課題の改善を通し、一人1台端末
を有効に活用できる地盤が概ね完了するものと捉えている。
今後においては、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指した授業改善を
実現させることを目標とし、その実現のために必要な環境や、必要なアプリケーション等
を検討し、本市の教育活動のより一層の充実を図る。
(2)アプリケーションの充実化による1人1台端末の利活用方策
まず、「授業支援ソフトの導入」を行うことで、児童・生徒同士及び児童・生徒と教職員
のやりとりをシームレスに行える環境を整える。共同編集作業も行いやすい環境となるた
め、これまで想定していても実現できなかった授業展開を実践することが可能となる。
また、令和5年度に整備したプロジェクターと組み合わせることで、それぞれが考えた
意見や思考のプロセスを可視化できるため、他者参照が容易になる。これにより「協働的
な学び」の充実を図ることができ、1人1台端末の使用率の上昇も促すことにつながる。
次に「授業支援ソフトと連動できるデジタルドリルの導入」を行うことで、授業内での
デジタルドリルの活用促進が期待できる。また、既存のデジタルドリルと比較し、選択式
の問題だけでなく、記述式の問題等、多様な回答方式での問題を利用できるようにするこ
とで、紙のドリルの代替としての活用促進も期待できる。
また、AI機能により、児童・生徒一人ひとりの進度や理解度に合わせて問題が提示され
ることも、学習の質を上げることに繋がる。蓄積された学習履歴をAIが分析し、児童・生
徒の課題を見つけ、その課題を補う学習を促す機能が搭載されており、自然発生的に自己
学習に繋がる環境を作ることが可能となる。
本機能により、個別最適な学びにおける「指導の個別化」の一部を担うことができると
同時に、「学習の個性化」にもつながる。ただし、「指導の個別化」においては、知識や技
能の一部分を担うことは可能であるが、それ以外の部分に関しては教職員等の指導が必須
であることも念頭に置く必要がある。
これらの方策を実現していくためにも、情報活用能力を高めていくことは必須であり、
より一層の充実を図っていきたい。そのための研修や、指導を行うための資料などを作成
し提示していくことで本市の児童・生徒及び教職員の情報活用能力を高め、充実したICT環
境を整えることで、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指した授業改善を
実現させていきたい。
その他のアプリケーションとしては、学習者用デジタル教科書においては、他の市町村
も含め、実践的に活用している学校の取り組みなどの情報を収集し、事例紹介によって市
内の活用促進に繋げる。
また、一人一人の学びの保障については、現在取り入れているデジタルドリル教材やオ
ンライン共同作業ツールを活用することで、教職員と児童・生徒をつなぎ、対話ができる
環境を整え、継続した学習活動となるよう対応する。
(3)情報モラル教育の推進による適切な1人1台端末の利活用方策
1人1台端末の積極的な活用に比例して、情報モラル教育が重要となってくる。
今後においては、教員への情報モラル教育の重要性や、具体的な授業実施支援に関して
周知の徹底を図る。併せて、教職員の情報モラルがどの程度なのか、アンケートを実施し、
効果的な教員向けの情報モラル研修の実施等、教職員の情報モラル向上に努めるものとす
る。
なお、参加が容易になるようにオンライン研修やオンデマンド研修を含めた計画を立て
ていきたい。
また、情報モラルに限らず、学校現場の困り感を解決できる環境を整えられるよう、支
援の充実について検討を進めたい。
【葉山町】一色小学校 授業レポート まとめ
2025年2月17日に葉山町立一色小学校を訪問し、6年2組の国語「『考える』とは」の授業を参観させていただきました。Googleドキュメントを使って、文章を書き、グループでコメントを読み合ってコメントする、という授業の様子をレポートしました。
また、午後には6年生の理科の授業で、為田がプログラミングの授業をさせていただきました。全3時間のプログラミングの授業で、アイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使いました。
【鎌倉市】鎌倉小学校 子どもが探究的に自走する学びで必要なことは?「ロイロノート・スクール」を活用した国語と総合の授業事例
横浜国立大学教育学部 附属鎌倉小学校「ロイロノート・スクール」活用事例
国内外で約1万3000校が導入する、授業支援クラウド「ロイロノート・スクール(以下、ロイロノート)」。2024年8月に正式リリースされた新機能の「共有ノート」は、複数名の児童生徒が同じノートを同時に編集でき、協働学習に最適なツールとして注目されている。今回、この共有ノートをはじめとしたロイロノートの機能をフル活用して「児童が自走する学び」を実現した、横浜国立大学教育学部 附属鎌倉小学校 4年生の「国語」と「総合的な学習の時間」の授業を取材した。授業を担当する荒谷舞 教諭は本年度、児童生徒主体の授業デザインを全国に向けて広める「ロイロ認定イノベーター」も務めている。本稿では授業のレポートとあわせて、ロイロノートの特長や活用する際のポイントなどを、荒谷教諭へのインタビューから紹介する。
ロイロノートをフル活用した「国語」の授業事例
「今日は、前の授業をみんなが理解しているかどうか、クイズをします!」
荒谷教諭の呼びかけにクラス全員が拍手し、手元の端末の画面に注目する。横浜国立大学教育学部 附属鎌倉小学校4年生の「国語」の授業の始まりだ。
ロイロノート・スクールの「テストカード」機能を使ったクイズは全6問。現在取り組んでいる教科書の物語について、「主人公は誰?」といった簡単なものから、あらすじの順番を問うものまで、さまざまな問題に児童は一喜一憂しながら楽しげに取り組んでいた。
「最後はちょっと難しいよ」と言って出された6問目は「この話を通して、学習者が身につけることとは?」という難問。8割以上の児童が「場面と場面を結びつけながら、登場人物の変化や行動の理由を考える」と、正解を答えていた。
「共有ノート」で実現する、児童が探究的に自走する授業今回の国語の教材は、作家のはやみねかおる氏が教科書のために書き下ろした『友情のかべ新聞』。学校で起きた事件の謎を解き明かしていくミステリー作品で、登場人物が「なぜ、このような言動をしたのか」を場面ごとに推理していく。
前時までの授業で、児童は物語を読んで自分が疑問に思ったことを「問い」として文章にまとめた。その際に活用したのが、ロイロノートの「共有ノート」だ。児童は、荒谷教諭が作成した共有ノートに自分のカードを追加し、問いを記入する。カードの中には、友だちに意見を書いてもらえるように、複数の小さなカードをふせんのように並べて配置する。
今回の授業では、共有ノートを全員で自由に閲覧し、友だちの問いに対する回答をカードに記入していく。荒谷教諭は回答する時間を30分ほど設け、「席を移動し、友だち同士で相談してもいい」とした。
そして児童はクラス全員の問いを一つひとつチェックし、自分が答えられそうなものに対して入力。黙々と書き込む児童がいる一方で、友だちと話し合いながら考える児童もいるなど、それぞれの方法で取り組んでいた。
中には、友だちの問いを見て新たな疑問が生まれた児童もいた。そうした児童は、共有ノートの中にカードを追加して新たな問いを書き加えていく。また、教科書の写真を撮り、自分が疑問に思った部分をトリミングしてカードに貼るなど、工夫しながら取り組んでいた。
印象的だったのは、回答を読んで疑問が解決した児童が、「解決しました」という報告を自分の問いのカードに書き込んでいたことだ。好きな画像をスタンプのように貼り付ける児童もいて、報告の方法もバラエティに富んでいた。
荒谷教諭は、自身の端末から共有ノートを開き、児童の学習進捗を確認する。悩んでいる児童には声かけをしながらも、あくまでファシリテーターに徹していた。児童は、自分の問いについて友だちと協力しながら考えを深め、自らの問いを解決へと導いていった。まさに「協働しながら、主体的に学ぶ児童」の姿が見られた。
【横浜市】メタバースとデータ活用で横浜市の教育DXを支援。海外へ羽ばたく人材育成を
教育分野でもデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むなか、NTT東日本グループと横浜市の取組みとして、子どもたちに多様な学びの場を提供する新たな試みがはじまっています。
その目標は、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用し、国際社会で活躍できる人材を育成することです。さらに横浜市の児童生徒26万人のビッグデータを活用した施策も視野に入れ、共創のスピードを加速させています。今回は、横浜市教育委員会の丹羽正昇さんとNTT東日本の社員に、現在取組んでいる教育DXの概要や、背景にある思いを伺いました。
【小田原市】 豊川小学校 学校を紹介しよう 3年生
2月3日(月)、3年生は学校にある紹介したい場所を決めて、学習用端末を用いて説明する準備をしていました。どんな場所か?何をする場所か?紹介したい理由は?など写真も用意し、説明する原稿もしっかりとまとめていました。
【相模原市】相模原城山高等学校 1年次 進路ガイダンス
1年次の総合的な探究の時間では、外部講師による進路ガイダンスをGoogle meetを活用し、各クラスへ配信する形で実施しました。後半は分野別に分かれてガイダンスを受講しました。
生徒の振り返りからは、自分の興味のある仕事について知れた。
職業についていろいろ学ぶことが出来ました。
将来の仕事の幅が広がったと思います。
【相模原市】相模原市立富士見小学校 給食委員会のカフート大会!
みんなが大好きなカフートのクイズ大会。
今日は1,2年生の大会です。節分にちなんだクイズが出ました。
いつものように、もりあがりました。1回目が終わったところで「もう1回!」の大コール!
もう1回クイズができて、みんな大喜びでした。
【相模原市】中央小学校 3年国語「お気に入りの場所、教えます。」
自分のお気に入りの場所を分かりやすく伝える活動をしています。子どもたちは、お気に入りの場所を選び、理由を考え、メモにまとめた後に、発表原稿をつくり、練習を繰り返し行ってきました。その際、発表スライドデータを子どもたち同士で共有することで、よりよい発表となるよう練り上げています。明日の発表会が楽しみです。
【海老名市】今泉小学校 自ら学ぶ力を育むには?危機感から始まった自由進度学習の挑戦
神奈川県海老名市立今泉小学校は、一人ひとりの個性を大切にするインクルーシブ教育を掲げ、公立校でありながら自由進度学習に取り組んでいます。そのきっかけをつくったのは、同校で6年生を担当する梅村周平先生です。子供たちはiPadでスクールタクトを活用しながら、自分のペースで、自分に合った方法を選んで学習を進めています。また、校長の和田修二先生の後押しもあり、スクールタクトの活用は全校の先生方へと広がりました。自由進度学習はどのようにスタートしたのか、そしてスクールタクトはどのように活用されているのか。お二人にお話を伺いました。
自分で選択する力を付ける学習の価値
―海老名市立今泉小学校が力を入れている教育について教えてください。
和田:海老名市はインクルーシブ教育に力を入れており、本校でも取り組んでいます。私が着任した令和3年度はすでに多様性の尊重に注力していました。全国的に特別支援学級に在籍する児童数は増えており、子供たちの特性を大切にしながらどう学校教育をつくり上げていくかは喫緊の課題になっていると感じます。
3年前に赴任した梅村先生は、「自由進度学習に取り組みたい」という思いを持っており、私は強く賛同しました。自由進度学習の良い点は、子供たちが自分で選択できることです。本来、人によって学びのペースは異なるはず。それを学校という仕組みの中で実現できる自由進度学習は、インクルーシブ教育にもつながる手法だと考えました。
個人的には、これまでの一斉講義型の授業スタイルを変えていく必要があるのではないかと思っています。ICTは学習者主体の学びをつくる必須ツールです。同じことを同じペースで同じような方法で学習する教育は、GIGAスクール構想における1人1台端末の実現で、変わるタイミングを迎えたと感じています。
市町村ごとの学校における教育の情報化の実態等調査結果 主要項目についての経年変化