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【綾瀬市】 1人1台端末の利活用に係る計画
1.1人1台端末を始めとするICT環境によって実現を目指す学びの姿 小・中学校学習指導要領(平成29年度告示)においては、「児童(生徒)が、基礎的・ 基本的な知識及び技能の習得も含め、学習内容を確実に身に付けることができるよう、児 童や学校の実態に応じ、個別学習やグループ別学習、繰り返し学習、学習内容の習熟の程 度に応じた学習、児童の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習な どの学習活動を取り入れることや、教師間の協力による指導体制を確保することなど、指 導方法や指導体制の工夫改善により、個に応じた指導の充実を図ること。その際、第3の 1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。」と示されている。 また、中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供た ちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(令和3年1月)では、 個に応じた指導を学習者の視点から整理した概念である「個別最適な学び」と「協働的な 学び」を一体的に充実すること、2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教 育」の姿として、これまでの「日本型学校教育」の良さを受け継ぎながら更に発展させ、 学校における働き方改革とGIGA スクール構想を強力に推進しながら,新学習指導要領を着 実に実施することが記載されている。 これらを踏まえ、本市では、「文房具の一つとしての1人1台端末の活用」を目指して、 指導方法や指導体制の工夫改善により「個に応じた指導」の充実を図るとともに、児童・ 生徒の一人ひとりの興味・関心に応じた取り組みを推進し、学習の自己調整に繋がるよう コンピュータや情報通信ネットワークなど情報手段を活用するために必要な環境を整備す る。併せて、デジタルドリル等の学習履歴を通じて、振り返り等の自己調整の材料となる ように環境の整備を進めていく。 また、授業支援ソフトを導入し、児童・生徒それぞれが思考したことを円滑に共有する ことや共同編集等を通じ、それぞれが思考したことの良さを認め合うことや、異なる考え から新たな学びを生み出すことができるよう学習展開を進められるようにしていきたい。 2.GIGA第1期の総括 本市においては、令和2年度よりデジタルドリルを導入し、GIGAスクール構想の実現に 向けて動き出した。端末に関しては、社会で広く利用されていることや、将来的な活用を 見込めることから、Microsoft社のWindowsタブレットを導入した。 また、校内ほぼ全域でWi-Fi通信ができるよう無線アクセスポイントの導入や、児童・生 徒に拡大して資料を提示するためのプロジェクターの配備等、タブレット端末が効果的に 活用されるよう周辺環境の整備も積極的に進めてきた。 Wi-Fi通信やプロジェクターに関しては、教職員からの評判が良く、一般社会でも広く取 り扱われていることを考えると当たり前のこととも言えるが、Wi-Fi通信は日常的に利用さ れており、特に意識せずに活用が進んでいるものと捉えている。プロジェクターに関して は教職員を中心に授業で活用される機会が非常に多く、特に授業の課題提示や教材の可視 化が有効とされている。 本市で導入したWindowsタブレットに関しては、様々なアプリケーションがインストール されており、各アプリケーションによる効果的な授業実施や、これまで活用してきた MicrosoftOfficeのより一層の活用により様々な授業改善が図られてきたところであるが、 その一方でアプリケーションやOS等を常に最新版にアップデートする必要があるため、イ ンターネットの負荷やアプリの安定性等の都合から、円滑に授業でタブレットが使えない ことが課題となっていた。 これらの課題に対し、本市としては、①OSの変更、②通信ネットワークの増強、③デジ タルドリルの見直し及び授業支援ソフトの導入、の3点を対応策としてあげ、課題の解決 に取り組む。 ChromebookやiPadを導入している他の市町村では、インターネットの負荷やアプリの安 定性等の課題は、本市と比べると極めて軽微なことが確認された。他の市町村と比較して も、ネットワーク環境に大きな違いがないことから、OSの変更は本市の課題解決において 有効な手段と考えられる。 そのため、WindowsタブレットからChromebookへの変更を行うことで、インターネットの 負荷軽減やアプリの安定性確保等の課題改善に繋げていきたい。 併せて、通信ネットワークの増強を行うことでより安定したネットワーク環境を提供し、 児童・生徒及び教職員のより一層安定した学習環境を整えていきたい。 また、デジタルドリルの見直し及び授業支援ソフトの導入に加え、研修や活用事例の紹 介等の学校への支援の充実を実施する。 デジタルドリルは、令和2年度の導入時と比べるとこの短期間で進化し、AIを搭載した 新しいタイプのものが増えている。現在利用しているデジタルドリルと他のデジタルドリ ルを比較すると、できることの幅が大きく異なっており、別のデジタルドリルに変更する ことで児童・生徒の学習履歴を基にそれぞれに沿った学習支援が可能となる。 併せて、デジタルドリルと連携している授業支援ソフトも導入することで、授業支援ソ フトによるタブレットの効果的な活用の促進に加え、デジタルドリルとの連動や様々な学 習データの蓄積を行うことができるため、デジタルドリルと授業支援ソフトを組みわせた 活用推進に加え、蓄積された学習データを基にした児童・生徒それぞれに応じた支援の充 実に期待できる。これらは、今後の教育データのダッシュボード化の動きにも対応するこ とになり、将来的に考えても積極的に導入を進めていきたい。 3.1人1台端末の利活用方策 (1)基本的な方針 本市においては、「2.GIGA第1期の総括」で記載した課題の改善を通し、一人1台端末 を有効に活用できる地盤が概ね完了するものと捉えている。 今後においては、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指した授業改善を 実現させることを目標とし、その実現のために必要な環境や、必要なアプリケーション等 を検討し、本市の教育活動のより一層の充実を図る。 (2)アプリケーションの充実化による1人1台端末の利活用方策 まず、「授業支援ソフトの導入」を行うことで、児童・生徒同士及び児童・生徒と教職員 のやりとりをシームレスに行える環境を整える。共同編集作業も行いやすい環境となるた め、これまで想定していても実現できなかった授業展開を実践することが可能となる。 また、令和5年度に整備したプロジェクターと組み合わせることで、それぞれが考えた 意見や思考のプロセスを可視化できるため、他者参照が容易になる。これにより「協働的 な学び」の充実を図ることができ、1人1台端末の使用率の上昇も促すことにつながる。 次に「授業支援ソフトと連動できるデジタルドリルの導入」を行うことで、授業内での デジタルドリルの活用促進が期待できる。また、既存のデジタルドリルと比較し、選択式 の問題だけでなく、記述式の問題等、多様な回答方式での問題を利用できるようにするこ とで、紙のドリルの代替としての活用促進も期待できる。 また、AI機能により、児童・生徒一人ひとりの進度や理解度に合わせて問題が提示され ることも、学習の質を上げることに繋がる。蓄積された学習履歴をAIが分析し、児童・生 徒の課題を見つけ、その課題を補う学習を促す機能が搭載されており、自然発生的に自己 学習に繋がる環境を作ることが可能となる。 本機能により、個別最適な学びにおける「指導の個別化」の一部を担うことができると 同時に、「学習の個性化」にもつながる。ただし、「指導の個別化」においては、知識や技 能の一部分を担うことは可能であるが、それ以外の部分に関しては教職員等の指導が必須 であることも念頭に置く必要がある。 これらの方策を実現していくためにも、情報活用能力を高めていくことは必須であり、 より一層の充実を図っていきたい。そのための研修や、指導を行うための資料などを作成 し提示していくことで本市の児童・生徒及び教職員の情報活用能力を高め、充実したICT環 境を整えることで、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指した授業改善を 実現させていきたい。 その他のアプリケーションとしては、学習者用デジタル教科書においては、他の市町村 も含め、実践的に活用している学校の取り組みなどの情報を収集し、事例紹介によって市 内の活用促進に繋げる。 また、一人一人の学びの保障については、現在取り入れているデジタルドリル教材やオ ンライン共同作業ツールを活用することで、教職員と児童・生徒をつなぎ、対話ができる 環境を整え、継続した学習活動となるよう対応する。 (3)情報モラル教育の推進による適切な1人1台端末の利活用方策 1人1台端末の積極的な活用に比例して、情報モラル教育が重要となってくる。 今後においては、教員への情報モラル教育の重要性や、具体的な授業実施支援に関して 周知の徹底を図る。併せて、教職員の情報モラルがどの程度なのか、アンケートを実施し、 効果的な教員向けの情報モラル研修の実施等、教職員の情報モラル向上に努めるものとす る。 なお、参加が容易になるようにオンライン研修やオンデマンド研修を含めた計画を立て ていきたい。 また、情報モラルに限らず、学校現場の困り感を解決できる環境を整えられるよう、支 援の充実について検討を進めたい。

端末整備状況

【綾瀬市】の詳細な情報は基礎自治体教育ICT指数サーチ(岐阜聖徳学園大学 芳賀研究室提供)へ