【福島市】福島市教育委員会 NHK交響楽団と取り組む「音楽教育」をとおした挑戦。文化芸術が地域社会に与える影響は?
いま、全国各地で観光や移住、教育などさまざまな分野で地域活性化への取り組みが行われるなかで、最近では音楽やアートなどの文化芸術領域と組み合わせた取り組みも積極的に活用されています。
NTT東日本グループの1社であるNTT ArtTechnologyは、文化芸術分野に特化した会社として2020年の設立以来、「ICT×文化芸術伝承」による地方創生をめざし、「文化財の保護」「新たな文化芸術鑑賞方法」に関連する事業をさまざま展開してきました。
本記事ではNHK交響楽団(以下、N響)演奏制作部 髙橋啓さんと、福島市教育委員会教育長の佐藤秀美さん、NTT ArtTechnology(以下、NTT Art社)で代表取締役社長を務める国枝学さんをお迎えして鼎談を実施。2024年に福島市で実施した「音楽教育プログラム」の話を軸に、音楽をはじめとする文化芸術は、いかにして地域社会の未来を変えるのかについて、お話をうかがいました。
N響とNTT東日本グループのパートナーシップは、40年目を迎えて新たなフェーズへ
——N響とNTT東日本グループは2024年から新たな取り組みとして「音楽教育プログラム」を展開していますね。まずは、プログラムの概要を教えてください。
NTT Art社 国枝:「音楽教育プログラム」では、出張レッスン、コンサートのリハーサル見学、遠隔でのオンラインレビューを通じ、子どもたちに音楽の楽しさや成長を実感する機会を提供することをめざしています。
N響の楽員のみなさまが各地域に住む子どもたちに楽器演奏の技術を直接指導するとともに、音楽への向き合い方や音楽の楽しみ方なども伝え、子どもたちの成長を促します。
そして、さまざまな地域で一人でも多くの音楽に親しむ子どもを増やし、音楽を媒介にしたつながりをつくっていく。その輪を各地域内で、さらには地域の外にも広げていくことによって交流を喚起し、地域の活性化に貢献していきたいと考えています。
——音楽を通じて子どもたちの成長を促し、地域全体の活性化にもつなげていくという取り組みなんですね。そもそもNTT東日本グループは、N響とはどのような関係があったのでしょうか?
NTT Art社 国枝:N響さんとのおつき合いがはじまったのは、電電公社が民営化され、NTTが設立された1985年に遡ります。同年の4月に「音楽はコミュニケーション」をコンセプトに『NTT N響コンサート(*1)』を立ち上げ、2023年11月まで約39年のあいだに180回の音楽公演を一緒に開催してきました。
40年ほどの長いおつき合いがあるなかで、N響が実施してきたさまざまな社会貢献活動に共感し、音楽分野での更なる連携による価値創造を目的に、2024年4月よりNTT東日本がN響の特別支援企業に参画いたしました。それをきっかけとして、音楽教育プログラムの立ち上げに至りました。
——音楽教育プログラムは、40年目の新たな挑戦だったんですね。第一弾として開催した福島市のプログラムはどのような内容だったのでしょうか。
N響 髙橋:福島市さまと実施したプログラムは、3つのステップに分けられます。ファーストステップとして、N響の楽員が福島市立信夫(しのぶ)中学校と福島市立福島第一中学校の2校を訪れ、吹奏楽部や管弦楽部のみなさんにレッスンを行いました。
セカンドステップでは、開催されたN響コンサートの福島公演に、両校の部員のみなさんをご招待し、N響指揮研究員による解説を聞きながら本番前のリハーサルを見学していただきました。そのあと、オンラインで出張レッスン後の子どもたちの成長ぶりを確認し、N響楽員がレビューさせていただいたのがサードステップになります。
音楽を福島市の「まちづくり」と「個性をのばす教育」に活かす
——今回の音楽教育プログラム第一弾の実施場所として、福島市を選択したのは何か理由があったのですか?
NTT Art社 国枝:NTT東日本グループの一員として、東日本大震災で大きな被害を受けた福島というエリアには特別な思いを持っていました。そのため、音楽教育プログラムを立ち上げた当初から、いつかは必ず福島にこのプログラムを届けたいと考えていたんです。
そのなかで、第一弾の実施に向けて候補地の選定を進める際に、8月30日にN響さんの福島公演があるということを教えていただきました。よいタイミングだったこともあり「それならば、ぜひ福島で」ということで、福島市にオファーをさせていただきました。
N響 髙橋:それに加えて福島市は、音楽が深く根付いている都市だと思っています。その象徴が、2023年のNHK連続テレビ小説『エール』の主人公のモデルにもなった福島市出身の作曲家、古関裕而さんです。
JR福島駅の新幹線ホームで流れる発車メロディーは“栄冠は君に輝く”ですし、駅を出ると古関さんの銅像があります。特に『エール』の放送以降は、街の至るところで古関さんが手がけた名曲の数々が流れていましたし、福島には豊かな音楽的バックグラウンドがあることも選定理由の一つでした。
——福島市はNTT東日本グループとしても、N響さんとしてももともと思い入れのある場所だったのですね。福島市さんが、オファーを受諾した理由は何だったのでしょうか?
福島市 佐藤:髙橋さんからお話いただいた、福島市が進めている作曲家・古関裕而さんを中心としたまちづくりや、教育の方針が合致したことが最大の理由です。
教育委員会として「福島型個性をのばす教育推進事業」を展開しており、音楽教育プログラムはこの事業の方向性と非常によくマッチしていると感じたのです。というのも福島市では、子どもたち一人ひとりの個性をのばすことを目標に、その道のスペシャリストの方々に力をお借りして特別授業を設けているんです。
たとえば、中学生を対象とした「プライムサッカー教室」では、地元のプロサッカーチーム・福島ユナイテッドFCよりプロ指導者を派遣していただいていますし、「プレミア美術教室」では福島市出身の日本画家である齋正機さんを講師にお招きし、デッサンの技法を教えていただいています。
福島市 佐藤:そうした経緯から、「福島型個性をのばす教育推進事業」の一環として、音楽のプロフェッショナル集団であるN響の楽員に子どもたちをご指導いただくのはとてもよい機会だと考え、ありがたく申し出を受けた次第です。
技術だけではなく、「音楽を楽しむ姿勢」を教える
——実際に、福島の中学校で行われたプログラムのファーストステップ「出張レッスン」では、子どもたちに対してどのような指導が行われましたか?
福島市 佐藤:それぞれの楽器を演奏するうえで基礎となる大事なことや、基礎練習への取り組み方、一つひとつの音に表情をつける方法などを指導いただきました。
さらには、演奏における癖を見抜いて指摘してもらうなど、一人ひとりに向き合った効果的な指導も受けていました。2時間ほどのレッスンでしたが、実施前後で音が大きく変わっていたようで、先生も驚いていましたし、指導を受けた子どもたちも強い成長実感を持てたのではないでしょうか。
N響 髙橋:N響の私が言うのも変かもしれませんが、楽員たちの指導のレベルはかなり高かったですよね。これまで、子どもたちの前で演奏する機会はあっても、人によっては楽器を始めたばかりの子どもたちを直接指導する機会はあまりなかったんです。そのため、楽員としても少し緊張している様子もありましたが、時間が経つにつれリラックスした様子になりました。
福島市 佐藤:そうだったんですね。今回の音楽教育プログラムで、子どもたちはN響の楽員から何度も「周りの音をよく聞くんだよ」とアドバイスを受けたそうです。「一人ひとりが自分の音ばかりに集中していてはいけない。周囲の音を聞かなければ、美しいハーモニーは生まれないんだ」と。
これは演奏だけではなく、チームワークや他者との調和にも通じることだと思うんです。指導では、楽器の演奏スキルだけでなく、音楽を通じて子どもたちが未来を生きていくうえで大切なことを教えていただきましたし、そのことをとても嬉しく思っています。やはり音楽の素晴らしさの一つは、「みんなでつくりあげること」だとあらためて感じましたね。
——音楽を通じてチームワークや協調性についても学べるのは、子どもたちにとって貴重な経験になりそうですね。N響の楽員から指導を受けた子どもたちからは、どのような反応がありましたか?
福島市 佐藤:子どもたちからは、「夢のような時間だった」「癖をなおしてもらって基礎的な部分がかなり改善した」といった感想が届いています。指導の時間では、子どもたちが実際に使っている楽器を、N響のみなさんが使って演奏をしてもらう機会もありました。その演奏を聞いた子どもたちは「同じ楽器なのに、こんなにも音が違うのか」ととても驚いたようで「新しい目標が見つかった!」とも言っていましたね。
NTT Art社 国枝:私も現地で指導の様子を見させてもらいましたが、細かな技術についてはもちろんのこと、N響のみなさんがたびたび、「音楽に対する姿勢」について言及しているのが印象的でした。
譜面通りに弾くことだけではなく、心から音楽を楽しみ楽器を奏でることの大切さも伝えてくれていました。さらには曲に込められたメッセージを解釈したうえで演奏するからこそ、しっかりと観客に伝わる演奏になるということも重視して指導されている印象を受けましたね。
——子どもたちにとって、とても有意義な時間になったのではないかと感じますね。動画を拝見しましたが、子どもたちの目がとても真剣でした。
N響 髙橋:子どもたちだけでなく楽員も、音楽を楽しむ子どもたちのまっすぐな目と向上心に触れ、指導にも次第に熱が入っていったように思います。実際、予定の時間をかなりオーバーしていましたしね(笑)。
福島市 佐藤:そうでしたね。また、子どもたちだけでなく教員にとっても、非常に意義深い時間になったようです。N響のみなさんは、即座に子どもたちのレベルを見抜き、一人ひとりに合わせた指導をしてくださいました。
福島市 佐藤:教員たちいわく、N響のみなさんは子どもたちが「楽器の演奏時に、どこをどのように動かせばいいか」をすぐにイメージできるような声がけをしていたそうです。やはり、人間はイメージができなければ行動できません。N響のみなさんが、身体の使い方をイメージできるような指導をされているのを見て、教員たちも日頃の指導の参考にしているようですね。
「ICT×音楽」で、新しい体験を届ける
——現地での指導のあとは、子どもたちをN響の福島公演のリハーサルに招き見学してもらったそうですね。リハーサル見学ではICTを活用し、新しい音楽体験の試みをしたとうかがいました。
NTT Art社 国枝:そうですね。福島公演で活用したのは、いずれもNTTグループが提供しているマルチアングル配信システム「connective」と耳を塞がない音響デバイス「PSZ(Personalized Sound Zone)技術(*2)」を搭載したイヤホンです。
NTT Art社 国枝:マルチアングル配信システムでは、普段は見ることのできないアングルで演奏を楽しむことができます。手元のタブレットを操作し、演奏者の手元や指揮者などをうつした3方向のカメラのうち、見たい映像を選択しながら見学ができるようにしました。
イヤホンには「PSZ」という、耳元の音を空間的に制御することで、耳を塞がなくても必要な音をクリア届けつつ、外部への音漏れを抑える技術を用いています。
通常はイヤホンを装着すると外の音が聞きとりづらくなってしまいますが、このイヤホンを装着することで、演奏中の曲についてN響指揮研究員の方の解説を聞きながら、同時に演奏を聞くことが可能になります。
N響 髙橋:イヤホンから聞こえる解説では、「ここで、先ほどとは異なる楽器がテーマ(楽曲の中心となるメロディー。主題)を演奏します」「この曲ではシンバルを用いますが、じつは曲中で1回のみ鳴らされているんです」といった聞きどころを伝えるので、演奏に対する理解度が深まり、より深く楽曲を味わえるようになるんです。
——なるほど。解説があると、より一層楽曲を楽しめそうですね。そのようにICTを活用した音楽体験を提供しようと考えたのはなぜだったのでしょうか。
NTT Art社 国枝:演奏中に曲の解説を聞いてもらう試みは、もともとN響さんで実施していて、私も以前体験したことがあったんです。そのとき感じたのは、これまでよりも豊かな音楽体験が得られるということでした。
体験する前は、正直に言うと「演奏中にイヤホンで解説を聞いていると、集中力が削がれるのではないか」とマイナスに思っていた部分もあったのですが、実際はしっかりと演奏にも集中しながら解説を聞くことができ、とてもいい体験ができたと感じました。
NTT Art社 国枝:その体験が印象的で、NTTの新しい技術を活用すれば、よりよい音楽体験を届けられるのではと思ったんですよね。そのあと、2023年に開催された『第180回 NTT東日本 N響コンサート』では、東京都のコンサートホールから長野県小布施町のホールへサテライト配信を実施いたしました。
そこでマルチアングル配信を導入してさまざまな角度から鑑賞していただけるようにするとともに、希望者にPSZを搭載したイヤホンをお貸し出しして、楽曲解説を演奏と同時に聞いていただきました。それが両方ともとても好評でしたので、活用の幅を広げていきたいと思い、今回の音楽教育プログラムにも導入することになりました。
福島市 佐藤:このICTを活用した音楽体験によって、子どもたちには「音楽の楽しみ方」を伝えられたのではないかと思います。いちプレイヤーとして音楽に親しんでいくことはもちろん、なかには人生のどこかでプレイヤーでいることはやめ、いちリスナーとして音楽に親しむようになる子もいるはずです。そのような子どもたちにとって、新たな音楽の楽しみ方を知れたことは、とても大きな意味があると思っています。
感動体験が、地域社会と子どもたちの未来を変える
——コンサート鑑賞後、リモートでの指導を経て、このプロジェクトは一旦終了となりました。それぞれ、このプログラムを通してどのような手応えを得ましたか?
福島市 佐藤:福島市の視点から見ると、子どもたちの演奏技術が向上したことは、わかりやすい成果だと思います。さらに言えば、プログラムを通じて音楽への愛を深めた子どもたちが、演奏技術や思いをさらにほかの子どもたちに伝播させてくれるのではないかと思っています。
というのも現在、部活動を学校内で閉じるのではなく、地域に開いていこうとする全国的な流れがあるんです。福島市では昨年度、子どもたちが学校を超えて集まり、最終的にはコンサートを開催する「吹奏楽アカデミー」という仕組みができました。今年度は100名を超える中学生が参加しています。
今回、N響のみなさんの指導を受けた子どもたちのなかには、この吹奏楽アカデミーに参加している子どももいます。そのため、音楽教育プログラムで得た学びを吹奏楽アカデミーで発揮することで、福島市内のほかの子どもたちの成長にも寄与してくれるのではないかと思っています。
福島市 佐藤:また先ほど、福島市は古関裕而を中心としたまちづくりを進めているというお話をしました。そのなかで、さまざまなコンクールやコンサートを開催していますが、楽器を弾くプレイヤーがいるだけでは、どのような催しも盛り上がりません。やはり、音楽で地域を盛り上げるためには、「音楽を愛する人」が必要なんです。
今回、音楽教育プログラムを通してより音楽の楽しさを知った子どもたちが、やがて音楽で地域を盛り上げる中心的な役割を担い、福島市に元気や勇気を与えてくれることを期待しています。
NTT Art社 国枝:私たちは音楽をはじめ、絵画や工芸品などの文化芸術分野において、新しい鑑賞体験を提供することで、地域を盛り上げることに貢献したいと思っています。そのためには、一人でも多くの方に芸術鑑賞を通して感動を与え、各地域にその芸術を愛する人を増やすことが重要だと思うんです。
NTT Art社 国枝:音楽教育プログラムで得た感動をご家族や友人に伝え、感動と芸術の素晴らしさが伝播していくことがあれば、これが文化芸術を通した地域活性化の一番の原動力になるのではないかと思っています。
そしていま、佐藤さんから吹奏楽アカデミーの存在と信夫中学校の子どもたちがその活動に参加していることを聞き、私たちのプログラムが音楽を通じて福島市を豊かにすることにつながっているのだという実感も得ました。
文化芸術は「豊かな人生を送るために欠かせないこと」を教えてくれる
——今回の音楽教育プログラムを通じて得た手応えを踏まえ、今度はどのようなことにチャレンジしたいと考えていますか?
N響 髙橋:音楽には地域やそこに住む子どもたちにさまざまなものを提供できる力があると思っています。
たとえば、「エル・システマ」という南アメリカのベネズエラ発祥の音楽プログラムがあります。このプログラムは、音楽を通じた青少年育成と犯罪防止を目的に立ち上げられたもので、家庭の経済状況にかかわらず、すべての子が無償で音楽教育を受けられる仕組み(*3)です。日本でも2012年にエル・システマジャパンが発足し、自らの人生を切り開いていく力を育むべく活動し続けています。
私たちN響は演奏集団ですので、基本的には音楽を奏でること、あるいはその技術を伝えることしかできません。それでも、音楽が地域社会や子どもたちの未来に寄与できるということを信じて、これからも演奏活動や音楽教育プログラムを続けていきたいですね。
NTT Art社 国枝:NTT Art社は、NTTグループの技術力を活かして、さまざまな地域とのつながりを構築しながら、文化芸術を切り口にした教育プログラムをアップデートしていきたいと思っています。
たとえば、NTTグループは現在、多くのパートナーの方々とともに、従来のネットワークと比較して「大容量」「低遅延」「低消費電力」といった大きな優位性を発揮すると期待されている「IOWN(アイオン)構想」の研究開発を進めています。
2030年頃の社会実装をめざすこの構想で私が特に期待しているのが、「低遅延」です。この技術を活用すれば、映像や音声のラグをほとんど生じさせることなく、遠隔地と通信ができるようになります。
これを音楽教育プログラムに導入すれば、リモートでの合奏や演奏指導も可能になり、より多くの地域を巻き込んで開催することもできるようになるのではないかと考えています。このような技術を活用し、教育プログラムを充実させ、地域の活性化につなげていきたいですね。
福島市 佐藤:地域として思うのはやはり、文化芸術は豊かな人生を歩んでいくためには欠かせないということです。子どもたちは今回の音楽プログラムで「本物」と出会って感動を得て、その経験を胸にさまざまなチャレンジに挑んでいくのだということを確信できたと思います。
だからこそ、福島市としては今後もさまざまな「本物」との出会いを提供する「福島型個性を伸ばす教育」に力を入れていきたいと思いましたし、またご縁がありましたらNTTグループさんにも、N響さんにもご支援をいただければ嬉しいです。
【いわき市】泉小学校 ブレット端末の入れ替え、委員会活動など
各教室にずらっと並べられたACアダプター、タブレット端末…これから、新しい教室へお引越しです。
放送の指示に従って、まずは6年生が1年生の端末の準備をしました。一台一台、丁寧にタブレット保管庫へしまいました。
福島NEWS WEB 「全国学力テスト」理科はタブレット端末で回答
小学6年生と中学3年生を対象にした「全国学力テスト」が県内でも実施され、およそ2万8000人がテストに臨みました。
「全国学力テスト」は、文部科学省が学力や学習状況を把握して授業の改善につなげることなどを目的に、全国の小学6年生と中学3年生を対象に毎年行っています。
ことしは、「国語」と「算数・数学」、「理科」の3教科で実施され、県内では小中学校の合わせて591校の児童と生徒、およそ2万8000人が対象です。
中学校の「理科」は、ことしから1人1台配備されたタブレット端末を使って回答する方式が導入されていて、福島市の福島第二中学校でも、3年生の生徒が端末を使ってテストに臨んでいました。
福島県は、昨年度のテストで、小中学校ともに、いずれの教科も平均正答率が全国平均を下回ったことを受け、より主体的な学びを実現するため授業の改善に取り組んでいて、今年度の結果は7月下旬ごろに公表される予定です。
福島県教育委員会「公立学校1人1台端末等整備事務効率化ツール作成業務委託」に係る一般競争入札の実施について
公立学校1人1台端末等整備事務効率化ツール作成業務委託
福島県教育委員会 1人1台端末活用研修業務委託」に係る公募型プロポーザル実施について
1人1台端末活用研修業務委託
小中学校の1人1台端末更新に当たり、昨年6月に文部科学省が公表した「公立学校情報機器整備事業費補助金交付要綱等の制定について」に示された公立学校情報機器整備事業の方向性に基づき、本県の特性を考慮した上で、市町村が端末活用に関する知識等を取得できることを目的とする。
【いわき市】「一人一人にあった学びを」AIが習熟度に合わせて出題も…デジタルで変わる教育現場最前線 福島県
私たちの生活や仕事など幅広い分野で身近な存在になってきた「AI」は、教育現場にも積極的に導入されるようになってきました。その最前線を取材しました。
9月の平日の朝に福島市の小学校を訪ねてみると、登校していた児童は数人だけ。それにはワケがありました。
■学校の先生
「今オンライン授業スタートしています。この後、オンライン懇談会があります。お家から来る人はバッチリね?OK?」
インターネットを使って授業を行う日だったのです。福島市は、コロナ禍を教訓に、授業をオンラインでもできるようにしていて、この日はネットの接続環境などを確認しました。
■福島市教育委員会 吉田貴史さん
「オンラインツールを活用すれば、対面でなくても、交流ができるので、今後もこういった体験を多く積み重ねて、いざという時に対応できるようにしていきたい」
インターネットやタブレット端末の普及で教育現場にもすっかりデジタルが浸透しましたが、実は、「学び方」も大きく変化しているんです。
いわき市の小学校でも授業で使うのはこのタブレット端末。漢字の読み方や書き方を学ぶドリル学習をしていますが、このドリル。みんな同じ問題を解いているわけではないのです。
■ベネッセコーポレーション学校カンパニー 山本大貴さん
「1人1人にあった学びというものが求められています。それをデジタルを使って解決をしたいということで開発した」
子どもたちが解いていたのはAIを搭載したドリル。教育事業大手の「ベネッセ」が開発したもので、AIが1人1人の学びの度合いに合わせて出題してくれるというもの。進化していく学びのスタイルに子どもたちの反応はというと。
■小学3年生
「楽しかったです」
■小学6年生
「友達の意見を聞けたり見たりもできるのでそういうところは便利だと思います」
いわき市はいま、ベネッセと協定を結び情報通信技術「ICT」を活用した教育に力を入れています。それによって、学びそのものが大きく変化するだけではなく、先生たちの負担の軽減にも繋がっているといいます。
■実際にソフトを利用する先生は
「効率的に授業を進められるっていうことと、いろんな子どもたちの意見を把握できるというか、子どもたちも発表の場ができるというのがコンテンツの素晴らしいところかなと思います」
■ベネッセコーポレーション学校カンパニー 山本大貴さん
「クラスのニーズ1人1人にあった内容を先生方が準備するのも、なかなか難しい状況があります。そういった点のメリットも感じて頂いているのかなと思っています」
毎年、全国学力テストの結果でも全国平均を下回り、学力不足が指摘される福島県。デジタルの活用によって、学びの質が向上することにも期待です。
学校教育におけるICT環境の整備
令和4年度県立高等学校入学生から、個人所有のキーボード付き端末により生徒1人1台端末の環境を実現しています。
関連する情報は、随時このページでお知らせします。
【令和7年度入学生】
○ 県立高等学校における生徒1人1台端末環境について (合格者・保護者の皆様へ) [PDFファイル]
○ 県立高等学校における生徒1人1台端末導入に係るタブレット端末等購入支援のための補助金交付申請の進め方 [PDFファイル]
【福島市】福島市民の方を対象に「地域社会のDX講座」を開催しました!
令和7年3月9日(日)、福島市の三河台学習様にて
「地域社会のDX講座」を開催いたしました。
弊社は福島市様および菊池製作所様との包括連携
協定を令和5年9月27日に締結し、以下の項目に基づき、ロボット技術やデジタル技術の特長を活かした取り組みを進めており、地域全体の活性化を目指しています。
今回の「地域社会のDX講座」は、特に「2. 豊かな街の営みを創出する先端技術の活用に関すること」に該当します。
講座では、富士通株式会社のシニアエバンジェリストである松本国一氏をお招きし、「6Gが作り出す地域の未来~DXを理解して未来社会を作っていこう~」というテーマで基調講演を行いました。
松本氏は、豊富な事例とデモンストレーションを交えながら、「デジタルトランスフォーメーション」とは単なるIT導入やクラウドシフト、モバイル活用ではなく、「誰もがありたい姿をデジタルで叶えていく」という世界観であると説明しました。
そして、地方や大都市に関係なく、デジタルを前向きに捉えて変化していくことの重要性を強調しました。
続いて、弊社からは生成AIの活用例についてデモンストレーションを交えながら紹介いたしました。
最後に、デジタル推進課様より福島市のDX取り組みについての紹介があり、全体を通して参加者からは、
「AIについて理解でき、AIがもたらす新しい社会に期待したい」といったありがたいご感想をいただくことが
できました。
今後も地元企業として、地域密着で地域全体の活性化の取り組みを遂行してまいります。
【桑折町】半田醸芳小学校 授業の様子
1年生は、国語科で自分のおすすめの本を紹介する文を書いて、友達からコメントをもらっていました。
2年生は、体育科でドッチボールを行っていました。
3年生は、音楽科でパフという曲をリコーダーで演奏していました。前よりさらに上手になりました。
4年生は、算数科で復習問題を解いていました。
5年生は、音楽科で卒業式の歌の練習を行っていました。
6年生は、タブレットで理科のまとめの問題を解いていました。
【福島市】蓬莱東小学校 社会科見学(5年生)
11月26日(火)5年生は社会科見学で「コミュタン福島」に行ってきました。震災に関することや放射線、これからの福島について学んできました。
市町村ごとの学校における教育の情報化の実態等調査結果 主要項目についての経年変化