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岐阜市 校務パソコンにMacBook Airを1,849台導入 刷新の理由を聞く
公立学校の校務用パソコンといえば、長年Windowsが定番だった。しかし、GIGAスクール構想第2期を迎えた今、MacBook Airを採用する自治体が現れた。それが、岐阜市だ。
公立学校でMacを採用するケースは極めて珍しい。岐阜市は、なぜMacBook Airを選んだのか。導入の背景や選択理由について教育委員会に話を聞いた。
学びそのものを変える「授業のOS改革」をめざして
岐阜市は、GIGAスクール構想第1期でLTEモデルのiPadを採用した自治体だ。「いつでも・どこでも・主体的に学べる環境」を整備し、全国に先駆けて実践を進めてきた。ICT活用の水準は全国平均を大きく上回っており、市全体の学校にICT活用も浸透している。しかし、同市教育委員会 教育長の水川和彦氏は、本当の意味での学びの変革は、まだまだこれからだという。
人口約40万人の岐阜市。市立小中学校67校・義務教育学校1校・特別支援学校1校・幼稚園2園に、約28,000人の児童生徒と2,200人の教員が在籍している
岐阜市教育委員会 教育長 水川和彦氏
「日本の教育は、いまだに画一的な一斉授業が中心です。しかし、本来、 学びというのは子供の選択と行動に応じて変化していくべきもの 。教師が『わかりましたか?』という言葉をどれだけ使わずに授業ができるかが重要で、もっと根本的に学ぶ意味を見直さければいけないと考えています」と水川氏は語る。
そこで岐阜市がめざしているのが、「 授業のOS改革 」だ。正解を求めるだけの学びではなく、課題に挑み、試行錯誤する過程そのものに価値があるという考えのもと、授業を見直していく。改革の柱となるのは、「 受容型から探究型へ 」「 単線型から複線型へ 」「 収束型から発信型へ 」という3つの学びの改善である。
「最初は“授業のOS転換”と呼んでいたのですが、アップデート程度では授業は変わらないと気づきました。根本から、つまりOSそのものを入れ替える必要があると考え、“授業のOS改革”と呼ぶようになったのです」と水川氏は語る。
岐阜市がめざす「授業のOS改革」。単なるアップデートではなく、根本的な学びの変革を重視している
岐阜市ではすでに、従来の枠組みを超えた新しい授業の姿が見え始めている。
たとえば、課題に取り組むとき、1人でじっくり考える子もいれば、仲間と協力する子がいるなど、ひとつの空間に「個別」と「協働」が共存するようになってきた。また授業支援ツール上で互いの資料や意見を自由に閲覧しながら、自分の思考を深める姿も見られるという。ほかにも、デジタルの共有ノートで自分の考えを整理したり、どう学んできたかを記録するようになり、「学びの自己調整」が可能になる時代も見えてきたようだ。
美術の授業の振り返り。制作過程を残すことで、生徒自身が思考や表現の変化を見つめ直すことができるようになった
WindowsからMacBook Airへ切り替えた理由とは?
そんな岐阜市では、働き方改革にも力を入れている。文部科学省が公開する「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト(令和6年度)」においては、自己点検結果で全国1位を獲得。また「学校完全閉庁期間」の導入や年度末休業の前倒し、夏季休業期間中にロケーションフリーな勤務環境の整備など、教育の質と教職員の健康・働きがいを両立するための施策に取り組んできた。
そうした中、新たに導入されるのが 教員に配布される校務パソコン「MacBook Air」 だ。従来のWindows端末からの大幅な刷新で、この9月から本格活用を予定している。すでに、各学校の情報主任には先行導入され、活用が始まった。
9月からの本格活用にむけて、各学校の情報主任に先行導入
岐阜市教育委員会 学校指導課 GIGAスクール推進室 磯川哲也
GIGAスクール推進室の磯川哲也氏はMacBook Airの採用について、「働き方改革を支えるツールとして、利便性と快適性は非常に重要です。比較検証の結果、MacBook Airが有効なツールであると判断しました」と説明する。特に評価されたのは、 軽量で持ち運びやすく、バッテリーが長持ちし、起動も速いという携帯性の高さ だ。校内外を子供と移動する場面が多い教員にとって、どこでもストレスなく使える端末は、大きな利点となる。
また、 児童生徒が使用するiPadとの親和性の高さ も重要な決め手となった。スムーズにデータが共有できることで、授業準備や学習記録の整理、写真や動画のやりとりが効率化される。さらに、これまで難しかった動画編集にも挑戦しやすくなり、教材研究や授業づくりへの意欲を引き出すことも期待しているという。
岐阜市が校務端末に求めること
今回導入されるMacBook Airは全1,849台。教員に1人1台貸与される一方で、校長や教頭など管理職および事務職員には、県のシステム連携の都合によりWindows端末(771台)が貸与される。MacBook AirはJamf ProのMDM(モバイルデバイス管理)で一括管理され、安心・安全に活用できるようセキュリティ対策も万全だ。
一方で気になるのが校務支援システムであるが、この点についても問題はないという。岐阜市が採用する校務支援システム「T-Compass」(株式会社文溪堂)は、クラウドベースでブラウザ対応しているためMacBook Airでも利用可能。また、コスト面においても、以前は「Macは高価」というイメージもあったが、今回の調達では Windows端末と比較してもコスト競争力があり、十分検討に値する選択 だったというのだ。
MacBook Air上で校務支援システム「T-Compass」にもアクセスできる
「良いものは良い」、でも切り替えに不安はなかったのか
とはいえ、長年使い慣れてきたWindowsからMacBook Airへの切り替えは、現場の教員にとって大きな変化であり、不安を感じる声があるのも事実だろう。校務用パソコンの刷新に際し、懸念点はなかったのだろうか。
この点について、水川氏は次のように語る。
「確かに“Windowsのほうがいい”という先生もいると思います。ただ、MacBook Airへの移行を検討した際、1つ1つ懸念点を洗い出していったら、 意外と大きなリスクは見当たらなかった んです。子供の利便性や教育効果を考えたとき親和性も高まりますし、岐阜市はGIGAスクール第1期からiPadを活用してきた実績があります。MacBook Airはバッテリーの持ちもいいですし、結局、 “良いものは良い” んですよね」
また、磯川氏は、「現場の不安を払拭するには、丁寧なサポートが不可欠」とし、研修体制の充実にも注力している。MacBook Airの活用イメージを広げ、安心して使い始められるように、動画コンテンツを作成した。今後は、各校の情報主任を中心に、それぞれの学校で実践的な研修を展開し、現場への定着を支援していく方針だ。
iPadとの親和性が高まることが教育効果に寄与する
現場の教員に聞く、MacBook Airの良いところは?
岐阜市立長良西小学校 情報主任 西尾柊也先生
先行導入でMacBook Airを使い始めている岐阜市立長良西小学校 情報主任 西尾柊也先生に話を聞いた。
まず西尾先生がメリットとして挙げたのが、Apple製デバイス間で写真や動画、書類などをワイヤレスで簡単に共有できる「 AirDrop 」機能だ。「これまでは、iPadで撮った写真をOneDriveにアップロードして、それをダウンロードして使うという手間がありました。ですが、MacBook Airなら、AirDropでサッと画像を送れて、そのまま資料づくりに使えます。 作業時間が大きく短縮されました 」と話す。
また、MacBook Airを活用して印象的だったのは委員会活動のとき。以前は、子供たちに意見を聞いて、その次の日に原稿をつくって振り返るという形で進めていたが、今は電子黒板にMacBook Airをミラーリングで映して、子供たちと一緒に原稿を考えるようになったという。「"こういう内容で合ってる?"と聞くと、子供たちが"うーん、ちょっと違う。ここはこうしたほうがいいかも"とその場で修正していきます。 まさに一緒に作っている感覚がありました 」と振り返る。
今後は、1日の振り返りムービーを作って子供や保護者と共有していきたいと西尾先生。まだまだ使いこなせていない部分があるというが、「自分でもどんな風に使えるかすごくワクワクしています。いろんな機能を知って、子供と一緒に楽しみながら、それぞれの子が輝ける瞬間をつくっていけたらと思っています」と笑顔で語ってくれた。
デジタルだけじゃない。子供の居場所づくり・リアルな活動も強化
MacBook Airの導入という、全国的にも珍しい取り組みを進めている岐阜市。しかし、水川氏は「ICTのトップランナーをめざしているわけではありません」と語る。あくまで子供1人1人の学びや成長を中心に据えた教育づくりが軸となっているというのだ。
たとえば、岐阜市では児童生徒の心と体の状態を日々見守る仕組みとして、市内のすべての小中学校に「ここタン」アプリを本格導入。児童生徒はアプリ上で体調や気分を記録できるほか、「聞いてほしい」ボタンを押せば、希望する先生に相談できる体制が整っている。あわせて、校内にフリースペースを設けたり、アバターを活用したオンライン教育相談を導入したりと、不登校傾向のある児童生徒に対しても、安心して過ごせる居場所づくりや個別の支援が進められている。
校内フリースペースの開設
不登校傾向の児童生徒が参加できるオンラインフリースペース
また、岐阜市が重視しているのは「リアルな学び」だ。地域全体を学びの場とする「ぎふMIRAI’S(ぎふみらい)」プロジェクトを展開し、社会や人とのつながりを実感できる学習活動を積極的に取り入れている。
「ぎふMIRAI’S(ぎふみらい)」プロジェクトとは、岐阜市が推進する地域全体を「教室」に見立て、岐阜市の人・もの・ことを「先生」とする探究学習の取り組み
これらの取り組みを通じて岐阜市がめざすのは、学校が子供たちにとって 「今日も行きたい場所」になり、「自分らしく学びたい」と思える環境へと進化すること だ。デジタル時代において、ICTを活用して学びを変えていくことは「必然であり必須」と語る水川氏。GIGAスクール構想の開始から5年、岐阜市では、子供が自ら選択し行動する「 子供が主役の学び 」へと、学びそのものを変える挑戦を続けている。
左より)岐阜市教育委員会 学校指導課 GIGAスクール推進室 磯川哲也氏、岐阜市立長良西小学校 情報主任 西尾柊也先生、教育長 水川和彦氏、 教育統括審議監 中田雅章氏、学校指導課 GIGAスクール推進室長 湯上真史氏
岐阜市高河原で始める!子どものデジタル教育最前線
岐阜市高河原では、子どもたちのデジタル教育が最前線で展開されています。近年、プログラミング教育やデジタルリテラシーの重要性が増す中、岐阜市の小学校では、タブレットを活用した先進的な授業が進行中です。これにより、子どもたちは論理的思考力を養い、21世紀のデジタル社会で活躍するためのスキルを身につけています。本記事では、岐阜市の教育機関がどのように子どもたちの成長を支えているのかをご紹介します。
オンラインEnglish Day 2025の開催について
7月31日(木曜)、8月1日(金曜)に『オンラインEnglish Day 2025』を行います。
オンラインEnglish Day 2025では、岐阜市で貸し出しているタブレット端末を使い、岐阜市内の小・中学校で英語を教えている43名のALTと、オンラインで対話したり活動したりします。
小学校3年生から中学校3年生までのみなさんに参加していただけます。TeamsでEnglish Day用チームに参加することで、申込完了となります。くわしい内容についてはチラシを見てください。
たくさんの参加をお待ちしています。
梅林小学校 ごみ減量・資源化講座
曇り空でしたが、朝から大変蒸し暑い1日となりました。
1年生が栽培しているアサガオ、ぐんぐん成長してきれいな花も咲かせています。子どもたちは登校すると鉢に水をまいてから玄関に入っていきます。
その1年生はハッピータイム、学級でドッジボールをして楽しんでいました。みんなで楽しく遊べていいですね。
1年生は学習も頑張っています。国語「大きなかぶ」を学習しています。おうちの方も学習した記憶があるかもしれません。1年生の代表的な読み物教材です。音読劇を行い、録画しました。みんなで見て、よかったところや、さらによくするといいところを交流しました。
6年生音楽。学級で「翼をください」の合唱を行っていました。みんなで歌声をつくりあげていて素敵です。
今日は4年生がごみ減量や資源化に関する講座を2つ受講しました。
最初は岐阜市環境部ゼロカーボンシティ推進課による「雑がみ講座」です。紙ごみの中で最も多くを占める雑がみについて、スライドやクイズを通して、リサイクルすることの大切さや分別方法を学びました。
2時間目は岐阜市環境部環境事業課資源物対策係による「プラスチックごみ出前講座」です。海洋プラスチックをはじめとするプラスチック製廃棄物が環境に与える影響や、プラスチック製容器包装の分別収集、資源化について学びました。
岐阜市は来年ごみ処理有料化となります。今回学んだことが、家庭で出すごみを減量したり、資源化したりしていくことにつながるといいですね。
梅林小学校 今年初の真夏日!
出ました!今日の岐阜市の気温は30℃越え、今年初の真夏日となりました。
今日はハッピータイムの頃からかなり暑く感じました。登校時に日傘をさしてくる子やハンディーファン、ネッククーラーを使用してくる子がいました。「よくわかる 梅林小学校」にも記載しましたが、暑さ対策は、保護者が責任をもち、各自で管理できるものなら特に制限はありません。ご家庭でご判断の上、必要に応じて対策をお願いします。
藤棚の下は暑さをしのぐにはいい場所です。
午前中、なかよしの仲間は歩いて校区にあるじゃがいもドーナツのお店にドーナツを買いに出かけました。
6年生は卒業アルバムの写真撮影を行っていました。今年の卒業アルバムは、個人のページができるようですよ。ご期待ください。個人ページ用の写真撮影も午後に行われました。
3年生体育。上体起こしの説明の際、ボランティアの方に補助していただきました。手本となりわかりやすかったです。ありがとうございました。
5年生家庭科。ほうれん草のおひたしを調理しました。衛生面には特に気をつかいながら、安全かつ正しく調理することを心がけていました。こちらもボランティアの方に支援していただきました。ありがとうございます。
今後も、できる時にできることでご支援いただければ幸いです。よろしくお願いします。
4年生と6年生が学習アプリの使い方に関するオンライン講習を受けました。
アプリを積極的に活用して、苦手なところを復習したり、学び進めたりしていきましょう。
明日も気温が高めの予報です。暑さに負けずに、楽しく学んでいきましょう!
学校における教育の情報化の実態等調査結果 主要項目についての経年変化
【岐阜市】の詳細な情報は基礎自治体教育ICT指数サーチ(岐阜聖徳学園大学 芳賀研究室提供)へ