【交流会レポート】学習者起点の学びの促進に向けて 第4回「集え!!学び続ける人!!学び続けたい人!!学習者中心の学びの促進に向けて ~お食事しながらでもOK~」(2023年2月17日開催)

 2月17日(金)に第4回「集え!!学び続ける人!!学び続けたい人!!学習者中心の学びの促進に向けて ~お食事しながらでもOK~」というテーマで交流会セミナーを開催しました。

 交流サブ部会では、「学習者起点の学びの促進」というテーマで議論を重ねています。今回は、全5回中の第4回で、参加者は、なぜ学び、何を学び続けようとし、そして苦労しているのか、参加者同士で語り合い、学び続けることの本質を探りました。

 当日は、学校教育関係者はもちろん民間事業者など多彩な方々に多くご参加いただけました。


登壇者(第3回セミナー報告の概要)

「学習者起点の学びの実践~中学校の現場から~ 概要版」
南房総市立富山中学校 野口 雄毅 様

ファシリテーター

南房総市立富山中学校      野口 雄毅
社会デザイン協会/松蔭大学   鈴木 秀顕
松戸市立和名ケ谷中学校     高瀬 浩之
コスモピア株式会社       佐野 悠介
交流会サブ部会長 富士通 Japan  應田 博司

目次

(1)趣旨説明
(2)登壇者による第3回セミナー内容の報告
(3)参加者による学びの本質について討議
(4)まとめ
(5)最後に


(1)趣旨説明

 令和の日本型学校教育の姿のひとつとして、個別最適な学びの実現があります。これは、「学習者起点の学び」の姿です。また、新学習指導要領の主体的な学びは、「学習者起点の学び」の一側面を持っています。この主体的な学びは、多くの学校で課題発見・解決学習やアクティブ・ラーニングとして事例を聞くようになりました。
 12月に実施した第3回セミナーでは、登壇者による中学校の授業事例より、学習者起点の学びは学習者にとって効果があることがわかってきました。学習者起点の学びは、学生が社会人になっても学び続けることに繋がります。このような視点で、参加者の学びを共有し、学び続けることの本質を探っていきましょう。

(2)登壇者による第3回セミナー報告の概要

●「学習者起点の学びの実践~中学校の現場から~」
  南房総市立富山中学校 野口 雄毅

 参照: https://giga.ictconnect21.jp/202301124270/

(3)参加者による学びの本質について討議

【学ぶ理由と学んでいること】

  • 新しいものや先達プロダクトに興味があり、その技術や知識について学ぶ。
  • 「わいわい」語れる場や道具を使うことで幸せを感じるため、参加者しやすい場づくりを学ぶ。
  • 納得感のあるキャリアを歩みたい、営業の本質を学ぶために関係する知識、技術を学ぶ。
  • セールスに限界を感じたため、マーケティングやお金の稼ぎ方を学ぶ。
  • 魚が釣れた時や釣り師間のコミュニケーションを楽しむ場に幸せを感じるため、魚の釣り方を学ぶ。

【中学校での学習者起点の学び(第3回セミナーの報告)について】

  • 話し合う楽しみ、話し合うメリットを作り出す必要がある。
  • 授業が終わった後に達成感を与えるのが大事ではないか。
  • 「放っておかれる」と「自走する」の間を埋めたい。
  • 勉強する姿勢ができているか、というのもポイント
    →ここがわかると自走ができるようになる。
  • お膳立てしすぎるのはよくなさそう?
    →やらせてる風になってしまう。
  • 全員が達成感を感じるためには、発言力の高低で達成感の大小が変わらないようにしたい!
  • 教師が教科に精通している必要がある。
  • 「全部教えないとダメ」ではなく「やり方を教えれば自分でできる!」という心構え
    →生徒と先生の関係。
  • 不親切なものを作るのは勇気がいる!
  • 自律性を出させるためにITリテラシーがあったほうが良い!
  • 内容よりもきっかけづくりが大事に感じる
    →「子どもの方が知っている」ということも受け入れる。
  • 特別支援教育でも、非合理的配慮の視点でとらえ生徒の自走を考える。

【全体を通して、学習者起点の学びとは】

  • 学習者が思いがけない幸福を手に入れる力(セレンディピティ)が背景にあるのではないか。
  • 学び合うことが楽しいと感じるられうようになることが大切。
  • 多様性を認めて、教える・教えられることが大切であり、自己完結してはならない。貢献すること幸せに感じる。
  • 自分の幸せを発見する力が重要である。

(4)まとめ 学習者起点の学びの本質とは

 学びの本質に正解があるわけでありませんが、主催者の視点で参加者の皆様のご意見にまとめさせていただきます。

  • 学びの本質とは、
    「思いがけない幸福を手に入れる力(セレンディピティ)」を育むことである。
    これは、偶然にいいことが起きるのではなく、意識的な行動により訪れるものである。
  • このとき学習者は、
    意識的に他の人と積極的に対話をする。物事にたくさんチャレンジする。
    知識を身につけ周りに気づく。などの行動力が必要である。
  • このとき教師は、
    学習者の交流の場をつくりだす。不親切な課題でチャレンジを促す。
    自律的に基本的な知識を身につけるための方法(ITリテラシーを含む)を支援する。

参加者より

  • ディスカッションをしている中でイチ学習者としての意見が膨らんできました。刺激的で楽しかったです。
  • 普段疑問に思っていた、学びに向かう動機付けというテーマのヒントになるようなお話を聞けました。ありがとうございました!
  • 期待以上に満足です。
  • 飲食OKの気楽な会とのことで参加させていただきました。
  • 告知通りに、ビジネスの殻を外した意見を発言できたり、聴ける機会があったりしました。
  • いろいろな立場の方が参加なさっていたことと、肩の力を抜いて感じたことを出し合えるいつもの雰囲気が、とても良かったと思います。
  • 学ぶ楽しさを再認識させていただきました。ありがとうございました。
  • 民間企業と先生の間の壁という話が出ていましたが、こういう場があると壁も低くなりそうだと感じました。
  • 本日は初めて参加させていただきました。主体的な学びを達成するための先生方の様々なご知見や工夫をお聞かせいただき大変勉強になりました。
  • この会に参加させていただいたことが、私の大きな学びとなりました。どうもありがとうございました。

(5)最後に

 ご登壇、ご参加いただいた皆様のおかげで素晴らしい交流会セミナーとなりました。あらためまして感謝申し上げます。今回の議論をもとに、皆様にとって実りある内容を考え、第5回セミナーを企画していきたいと思います。
 また、来年度も引き続き交流会セミナーを実施します。本年度よりも、さらに参加者間のコミュニティづくりを充実させることにより、皆様にとって有意義なセミナーとなるようにしていきたいと考えております。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。