【交流会レポート】「GIGAの運用における想定課題について-GIGAを成功させるには!-」-本音で包み隠さず語ります!GIGAスクールの取り組みー(令和2年11月5日開催、録画データ公開)

GIGAスクール構想推進委員会・学校支援部会・交流会サブ部会主催のオンラインセミナー(交流会)は、11月5日(木)に開催され、奈良市教育委員会事務局 学校教育課 情報教育係長 谷正友様をお招きし、奈良市におけるGIGAスクール構想の取り組みについてお話いただきました。全国の教育委員会、教育関係者の方々を中心に70名を超える方々のご参加を得て、開催されました。

■開催日時:11月5日(木)18:00-19:00

■講師:奈良市教育委員会事務局 学校教育課 情報教育係長 谷正友様

目次

  1. 奈良市におけるGIGAスクールの現状
  2. 対談(谷様と應田 交流会サブ部会長によるインタビュー形式)
  3. オンラインセミナー(交流会)録画データ

奈良市におけるGIGAスクールの現状

奈良県域の教育の情報化のあゆみ、県での共同調達の説明があった。
先生応援プログラムとして先生が学ぶための研修コンテンツを充実している。

※資料は以下からご覧ください。
 ALL Nara promotion of GIGA SCHOOL Concept Official Guide
 GIGA IN NARA CITY New education starting now.

奈良市のGIGAスクール整備の特徴


特徴としては、G Suite for Educationを一人一アカウント付与している。

コロナ対応の際に、オンライン校長会、オンライン教頭会を開催し、管理職から使い始めた。

徹底的な分かりやすさを追求し、セキュリティ対策は、緩くしている。

子どもたちが、ICTデバイスとの付き合い方をしっかりと身に着ける。自分のことは自分で守れるようになることを目指している。

セキュリティ対策・ICTとの関係


保護者同意の運用ルールを策定し、困った時に相談できるヘルプデスクを設置。

保護者向け説明資料


先生に対する支援として、奈良県×各自治体×関係事業者の連携により、先生応援プログラムを策定し、200~300回の夕方1時間、オンラインで受講できる研修会を実施。

使い始めてたった2週間で、小学校1年生でも使いこなしている。

先生向け研修動画

対談

Q:パスワードの管理は、どうしているのか。

低学年でも自分で管理してね、と丁寧な指導をしている。

パスワードを決めようね、というと難しいが、「秘密の言葉決めようね」「魔法の言葉決めようね。自分の秘密にしていいよ。」と工夫して伝えている。

毎日使うことで、パスワードは身についていく。

万が一、忘れたら教育委員会で初期化する。

最初は問い合わせが多かったが、いまは、1日1件、2件程度しかない。

子どもたちは思ったより使いこなす。先生の工夫もあると思う。

Q:先生方にどう広めていくのか、ノウハウを教えてほしい。

県全体で同じいっせいに環境が整備されたため、覚悟ができたのかと思う。

管理職が納得することが大切。オンライン校長会、教頭会は、意味があった。

子どもたちが笑顔で楽しみ始めると、先生が頑張り始める。そうすると正の回転が始まる。

Q:故障の対応は?

奈良市ではリース対応だが、心配するほど壊れない。奈良市内の学校で週で2台程度。修理期間中は予備機で対応。

Q:教育委員会内では、どのように業務を回しているのか。

大きい自治体の悩みは同じだと思う。指導主事3人で奈良市全体は回せない。

別の業務をしていた指導主事へのアドバイスは、不安な発言はしないでということ。

その発言が現場を不安にさせると伝えていた。困っていることのヒアリングをして、学校現場にもいく。するとリアリティを感じる。

得意な先生、不得意な先生いるが、子供たちが使いこなしていくのを目の前にすると、先生は頑張る。正の回転が回っていく。

Q:先生用の端末は?

先生用の端末は、スクールニューディールの時代に整備したWindows端末をWindows10の端末にリプレイスしたものを使用している。

ブラウザは、Chromeを標準にしている。

先生からは、子どもたちと同じ端末が欲しいといわれたので、1台渡したが、触ってみたら画面が一緒なので、納得された。

Q:保護者理解、啓発はどうしているのか。同意を得るための工夫は?

学校長に対して、タブレット端末の持ち帰りを前提にする、と早い段階で示していた。

市教委としてGIGAスクールへの考え方について資料を作って示してきた。

市教委の資料を使っても構わないが、学校長としての思いもつけて欲しい。とお伝えした。

Q:大人の意識を変えるのが難しい。先生方の意識を変えるのは?

最初はたいへん。使っている子供たちの表情をみると先生が変わる。

コロナ禍で、4月~6月オンライン教育に踏み切った。通信機器も貸与。

つながったときの喜び、1人1台となりけっこう使い勝手が良いと思ってもらっている。

Q:コロナの第2波等、緊急事態に非日常に向けた取り組みは?

家族が感染したなど、2週間自宅待機となる。家庭のNW環境が貸与も含めて使える環境があれば問題ない。

その子が教室にいるかのように授業ができる。

今は、やってみたら簡単。

Q:地域連携は何かやっているか?

自治体間連携ができると面白いと思っている。自治体同士の講座をシェアするなど

Q:回線環境は?

ツリー構造のセンター集約型。メディアコンバータの更新により、末端で1ギガ。

ブレイクアウトとの比較した結果、集約したほうが安くなるという判断をした。

集約型のメリットは、今後、SINETへの接続できることもある。

Q:PCの電磁波アレルギーへの対応は?

個別事案に応じて対応する方針。

現時点で具体的な申し出はないが、声をあげられていない可能性もゼロではないので、学校からの報告など、アンテナを張りながら対応を行う。

Q:個人情報保護審議会はどう対応するのか。

クラウドでできることをオンプレでやると莫大な金額がかかる。

セキュリティリスクは、ひとつひとつ対策を取る表を作る。

奈良市では、公益にかなうか、クラウドサービスでできることで、ここまで利用するための技術的な対策(リスク分析、セキュリティ対策等)を上げた。

オンラインセミナー(交流会)録画データ