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錦糸中学校 授業レポート No.1
2024年12月2日に墨田区立錦糸中学校を訪問し、長塚雄也 先生と三浦隆 先生が担当する1年1組の数学「平面図形」の授業を参観させていただきました。錦糸中学校の1年生の数学は、定期考査ごとに習熟度別のクラスを編成していて、この日は5階の数学室で長塚先生、3階の数学室で三浦先生が授業をしていました。
どちらのクラスも自由進度学習で授業が行われていました。1年生の1学期に学習する教科書の最初の1章は一斉授業で学んで中学の数学に慣れてもらって、5月になって2章くらいから自由進度学習で学んでいるそうです。
5階の数学室の授業の最初では、長塚先生が授業のめあて「円の中心を作図しよう」と、自由進度学習で取り組んでほしい「めやすの学習内容」としてミッションと小テストとQubenaの3つの課題を電子黒板に映して紹介していました。
自由進度学習に入る前に、全員で3分間の確認プリントに取り組みました。その後で、「円の中心を作図しよう」に取り組むための確認として、長塚先生が電子黒板を使って弦と弧について確認の説明を全員に向けてします。
長塚先生が「いつも通り何も教えませんので、やってみてください。7分後に集合をかけます」と言うと、生徒たちは自由に席を移動して学び始めます。1人で取り組む生徒もいますし、3~4人のグループを作って学ぶ生徒もいます。生徒一人ひとりがどのように学ぶかを決めて、自由進度学習に取り組んでいました。
生徒たちが自分のペースで学んでいる途中で、長塚先生は「武器(=iPad)を使っていいよ」と言っていました。生徒たちが使っているロイロノート・スクールの中には、解説動画集が用意されています。生徒たちは、自分に必要な解説動画を少しずつ再生したり、戻って解説を聴き直したりしながら、円の中心を作図する方法を確認していました。
iPadで解説動画を聴きながら、プリントで問題を解いている生徒たちが多かったです。解説動画を聴きながら問題に取り組むときには、iPadとプリントを併用する方が便利だな、と見ていて感じました。
その後で、単元全体のスケジュールを電子黒板に映して、今回が単元「平面図形」の9回目の授業であることを示し、この日の「めやすの学習内容」を確認して、何をどのように学ぶのかを生徒たちに考えてもらいます。
単元全体のスケジュールには、「やったこと」と「ふりかえり」を書く欄があるので、授業の最後にふりかえりを行えるようになっています。単元を通じて毎回の授業で「何をどのように学ぶのか」を生徒が書き、その横に「やったこと」と「ふりかえり」を書いていくことで、学習の進度を自分で確認することができるようになっています。
プリントの内容に不安がある生徒たちに、長塚先生は円が描かれた小さいカードを手渡し、「コンパスも何も使わないで、円の中心を突き止めるにはどうする?」と別の課題を出していました。
コンパスや定規を使わずに、カードを折るなどの試行錯誤をして円の性質を捉えることで、垂直二等分線を作図すればいいことに気づくきっかけとしていました。
問題が解けた生徒たちや質問がある生徒たちは、長塚先生のところに集まってきます。長塚先生は黒板や電子黒板を使って生徒たちと話をしながら、「なぜ、そうなるのか?」という問いを投げかけていきます。長塚先生は授業の途中でも、「なぜかを説明できるようになってね。それが数学ですよね」と言っていましたが、こういう問いをみんなで考えていく場面が、自由進度学習のなかでもきちんと作られているのはいいなと思います。
電子黒板を使ってみんなで考えているときに長塚先生が「3個の点があって、2本の垂直二等分線があれば…?」と言ったら、一人の生徒が「中心が爆誕?」といまどきの中学生の言葉遣いで返していたのが、自由進度学習のなかで先生と生徒たちが一緒に考える関係性を表しているようで、いいなと思いました。
3階の数学室では、三浦先生が黒板に円の中心を作図する過程を解説した後で、自由進度学習に入っていました。取り組んでいる問題は、長塚先生の教えているクラスと同じ「円の中心を作図しよう」でした。
三浦先生は、「今日のところ、厳しかったら小テストに取り組んでください」と言っていました。生徒たちが自分のiPadで使うロイロノート・スクールには小テストがたくさん入っていて、自分の進度に合わせて取り組む小テストを決めることができるようになっています。単元・小単元をさかのぼって小テストに取り組むこともできます。
解き終わった小テストを、生徒たちはロイロノート・スクールで提出します。先生は授業ごとに提出箱を作るのではなく、小テストごとに提出箱を作っているので、生徒は自分が解いた小テストの名前がついた提出箱に提出することになります。この工夫もいいなと思いました。
5階の数学室へ戻ると、長塚先生の授業で最後にふりかえりを書いていました。ふりかえりのところにプリントで解いた問題をカメラで撮影して貼りつけて、その下にApple Pencilでコメントを書いている生徒もいました。
授業の最後に、この日の授業で学んだことのまとめを長塚先生が行っていました。自由進度学習ではあるものの、適切な箇所で全員に対して伝えたいこと、全員に確認しておいてほしいことを、先生が一斉に伝える場面があったのが印象的でした。
数学室の掲示板には、いま取り組んでいる単元「平面図形」で、「全員やること」と「プラスアルファでやってほしいこと」が掲示されていました。ロイロノート・スクールにアップしてある問題と、iPadでQubenaを使ってやってほしいものなどが並んでいます。
デジタルの教材だけでなく、数学室には入試問題も含んだプリント教材がたくさん用意されていました。
ロイロノート・スクールの資料箱と数学室のプリントと、デジタルとアナログの両方で生徒たちが学ぶ教材がたくさん用意されている環境が作られていることも、とてもいいと思いました。
(Yahooニュース)教育現場でのタブレット端末配備が「世界トップクラス」の日本、授業変革は進んだか? 米巨大IT企業ア
―グーグルが教育事業に力を入れる理由は。「誰もが素晴らしい学習体験を享受すべきであると考え、教育と学習の変革を支援するツールを開発しました。一人一人に最適化された環境を提供できるし、共同作業を通じて創造性も高められます」―政府の「GIGAスクール構想」で、自治体が調達した端末の基本ソフト(OS)別のシェアは、グーグルの「クロームOS」が首位でした。「(教育機関は)ITの分析・表現力が高い人ばかりではありません。教員の不安に応えるため、無償研修を手厚く提供しました。海外での成功事例を伝えたことも好評でした」―グーグルの収益源は広告だが、教育事業は。「教育向けツールでは広告を表示しません。無償版のほか、有償版があります。端末の『クロームブック』はメーカーから一定のライセンス収入を得ています」―日本の課題は何でしょうか。「教育現場での端末普及は、日本が世界首位になったと言ってもいい。ただ、経験は浅いです。端末があるからと言って何かが変わるわけではなく、活用して初めて変化が起きます。学校の先生による端末やツールの活用アイデアを公開し、共有できるようにしました」▽採点時間が5分の1に短縮
東京都墨田区立錦糸中学校で社会科を教える古賀隆一郎教員は「端末を使う授業は生徒の意欲が高まる。自分で調べたり、他の生徒と対話したりして学びも深まる」と効果を語った。筆者が今年3月に見学した地理の授業では、生徒が南米の地域経済などの特色を紹介するニュース番組をアイパッドで作っていた。キャスター役の生徒は原稿を文書作成ソフトで表示しながら読み上げ、他の生徒が別の端末のカメラで録画する。教員が一方的に話をする授業ではなく、生徒が共同作業で課題に取り組んでいた。
東京都立両国高等学校・附属中学校 GIGAスクール端末配布(中学1年生) 2022/5/10
今年入学した附属中学校1学年(17期生)にGIGAスクール端末が貸し出されました。担任から1人に1台ずつ手渡され、附属中学校卒業までの3年間使用するものなので大切に扱うことなどの注意がありました。その後さっそくマニュアルを参考に初期設定を行いました。スムーズに終了する端末が多くありましたが、充電がない端末、途中で確認作業に時間のかかる端末などもありました。
(東洋経済ONLINE)英単語や漢字「アプリで覚える」公立の学校でも着々広がる背景 墨田区・錦糸中学校、ICTで基礎学力
GIGAスクール構想により、公立の小・中学校のほとんどに「1人1台端末」が整備され、さまざまなアプリやサービスをICT端末に入れて利活用を進める学校が増えてきている。ともすると、「ICT端末を使うために何かをしなければ」という本末転倒にも陥りがちだが、生まれた時からスマホが身近にある子どもたちにとってデジタルは当たり前のものであり、適切かつ効果的に使えば楽しく学習でき、驚きの効果が表れることもある。東京都墨田区の区立中学校で行われている実証事業を取材した。
J:COM すみだ・台東 GIGAスクールインターネットサービスご相談担当受付
墨田区立の小・中学校に在籍中のお子さまがいるご家庭向けに、低価格でインターネットをご利用いただける特別プランをご用意しました
学校における教育の情報化の実態等調査結果 主要項目についての経年変化
【墨田区】の詳細な情報は基礎自治体教育ICT指数サーチ(岐阜聖徳学園大学 芳賀研究室提供)へ