「GIGAスクール構想推進委員会」情報発信部会では、月に1度テーマを定めた座談会を開催し、その内容を公開していきます。
発言者を匿名とすることで忌憚のない自由な意見交換を行い、各自治体の個別具体的な課題の解決に向けた糸口を作りやすくし、児童生徒の1人1台端末環境の達成に寄与します。
今回は、2021年5月に改訂された「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」をテーマに、自治体・学校の方に自由にご発言いただきました。
その内容をまとめたものを以下に公開しますので、ぜひご覧ください。
日時:2021年6月17日(木)18:00~19:00
テーマ:文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」第2回改訂について
「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」改訂は評価されています
A:
境界防御からゼロトラスト的な方向に舵を切る、ということが公式にアナウンスされたことはよかった。
アクセス制御やクラウド利用については踏み込んだ記述がある一方で、先生のクライアントの端末に関する記述に変更がないのは気になりました。
B:
ネットワーク分離しなくても構わないということになれば、生徒個人の成績が家庭から確認できるようになる、というのは良い流れだと感じる。
例えば三者面談前にご家庭で情報をチェックしてもらえると、面談の場で大切な相談や検討により多くの時間を割くことができる。
改訂のタイミングなどスケジュールの全体像が見えないことに対する不満があるようです
C:
改訂の見通しが立っていないように思えるのが気になった。
今回の改訂を受けて、ネットワーク分離型のシステムを採用した学校や自治体で変更を検討したとしても、契約期間の縛りで次は4年後、というところもあるだろう。
A:
文部科学省の中に定期的な会議体があって、議事録や中間まとめが出てくれば方向性も見えてくる。
いまの状況では表に出てこない情報を収集できる自治体とそうでない自治体とで差が出てしまい、フェアではないように思える。
C:
システムの変更を進めるなら、2年くらいあれば何とか頑張ることはできる。
校内LANの補助金についても、もう少し期間に余裕があれば助かる。
事業者に対してもかなり厳しい意見も出ました
C:
ガイドラインでは、クラウドサービスの利用にあたって事業者に確認すべき項目の例が掲げられているが、事業者の中にはそもそもこのポリシーの存在自体を知らなかったり、存在は知っていても中身を読んでいなかったりする。
事業者ごとに確認してやりとりすると相当な手間がかかるため、公式Webサイトに掲載するなどしてほしい。
B:
こちらも事前に調べているが、どこまで調べれば出てくるのかわからないし、こちらの調べ方も悪いのかとか思ってしまう。
外部の第三者認証といった仕組みがうまく機能しているとありがたい。
A:
アイデアとしては面白いが、技術や仕様が世の中で求められている水準に達しているのか、教育委員会の人間がすべてチェックすることはできない。
また教育ベンチャー企業が高度な認証を取得するのは難度が高いので、GIGAスクール構想推進委員会が進めている「宣言書」のようなものもしっかりしてほしい。
万が一にも何かしら事故があった場合に「どうやって事業者を選んだのか」という質問にきちんと答えないといけない。
いかがでしたでしょうか?
「GIGAスクール構想推進委員会」情報発信部会では、今後も「テーマを決めて座談会」を開催していきます!