【交流会レポート】門真市様の今年度のZoomの活用とGIGAの運用に向けて(令和3年1月22日(金)開催、録画データ公開)

GIGAスクール構想推進委員会・学校支援部会・交流会サブ部会セミナーは1月22日(金)に開催され、門真市教育企画課 渡辺 廣大様をお招きし、「門真市様の今年度のZOOMの活用とGIGAの運用に向けて」についてお話いただきました。全国の教育委員会、教育関係者の方々を中心に60名を超える方々のご参加を得て、開催されました。

■開催日時:1月22日(金) 17:00-18:00

■講師:門真市教育委員会 教育企画課 渡辺 廣大様

■講演テーマ:今後の教育ICTの活用促進に向けて

目次

  1. 今後の教育ICTの活用促進に向けて
     1-1. 学校現場でICTの利活用を進めるために
     1-2. 3月の休校からZOOM活用に至るまでの経緯
     1-3. 導入後の学校間の差
     1-4. オンラインの活用事例
     1-5. 門真市のGIGAの状況
     1-6. これから求められること
  2. セミナー参加者の皆様と渡辺様による意見交流
  3. オンラインセミナー(交流会)録画データ

1.今後の教育ICTの活用促進に向けて

1-1. 学校現場でICTの利活用を進めるために

  • ICT利活用促進のキーワードは子どもではなく学校の先生。
  • 必要性×先生のモチベーション×環境の3つが揃って利活用促進に辿り着ける。

1-2. 3月の休校からZOOM活用に至るまでの経緯

  • 昨年3月からの休校以来、オンラインで子ども達とつながれないかという先生方の声を汲み取り、門真市教育委員会としてZOOMを導入する結論に至った。

1-3. 導入後の学校間の差

  • 導入後の7~12月の実績としては、着実に利用が定着してきた。使っている学校と使っていない学校で差はあるが、使っていない学校はてこ入れせずとも、いずれ使い始めると考え、特に心配はしていなかった。実際に1月に入ってから使ってない学校はなくなった。

1-4. オンラインの活用事例

  • 教育委員会として、校長会や研修、学校との調整をオンラインで実施。
  • 小学校・中学校では、休校中の朝の会や宿題連絡など、現在多くの学校で開催されているものに加え、先行事例として下記の取り組みを実施。
  • ICTが得意・新しいことが好きな先生が中心となって使い始めることで、周りの先生、校長先生も影響され活用が進み、メリット実感の体験が他校に拡がった。

1-5. 門真市のGIGAの状況

  • 1月末~2月末にかけて、校内無線ネットワークの最終接続工事に入っており、来週から1人1台chromebookを配布予定。来年度以降、下記設備が教室に整備される予定。
  • 昨年6月からICT活用検討会を立ち上げ、先生方と一緒に活用の検討を進めており、電子黒板やAIドリルの導入、ヘルプデスク設置など先生の活用促進のために、整備面から支援を行ってきた。

  • いよいよGIGAの整備が最終段階を迎え、改めてICT利活用促進に必要なこととしてまとめると、必要性の理解、ICT環境整備は充実してきた。

1-6. これから求められること

  • 今後は、先生のモチベーションをいかに高められるかがキーとなる。そのためには、最初から完璧を求めず、得意な先生、使いたい先生がチャレンジしやすいように、校長先生・教頭先生の理解があると利活用が促進されると考える。

2. セミナー参加者の皆様と渡辺様による意見交流

Q:ICT利活用の取り組みが進んでいない学校へ、他校の取り組みを紹介するケースなどありましたか?
渡辺様:特定の学校名は出さずに、他校での取り組みをインプットしている

Q:学校での端末の運用規定で何か工夫をされていますか?
渡辺様:子どもたちが何か使えないようにする制御や、先生方の運用を縛ってしまうと活用が進まないので、基本的に縛りはかけていない。ただし、学校現場からすると決めてもらった方が進めやすいという声もあり、教育委員会として、運用規定をどのレベルで作るかは悩ましい問題。

Q:端末の持ち帰り課題について、制限をMIN化して運用をしている自治体もあるが何かヒントはありますか?
渡辺様:門真市でもいろんな声が出ているが、個人的には授業で使うことに先生たちがイメージを持っていないのに、持ち帰らせて子ども達が勉強をするか?という点に疑問を持っていることから、持ち帰りは考えていないと言い切っている。持ち帰りできる設定もしているし、早期に持ち帰りできるといいと思っているが、まずは学校でどういう風に使って欲しいかイメージすることが必要だと考える。

Q:授業での簡単な活用方法を沢山提示できるとハードルが下がると思いますが、事例の中で、非常に簡単な使い方とかありますか?
渡辺様:先生方がネットで事例を見つけようと思えば、多くの事例を見つけられるが、同じ市内の他校が、こんなことやっているよと身近な形で提案するアプローチの方が先生方に響くと考えている。

Q:管理職の理解で工夫されたことは?
渡辺様:一番難しい。校長先生でICTにご理解がある方、苦手な方などいらっしゃるので、中々ご理解を頂けないことも少なからずある。特別な策はないので、できる限り足を運び、人間関係を作りながら聞いていただく環境を作るしかないと考える。

Q:G-Suiteの教職員アカウントは校外でも利用可能としているか?
渡辺様:運用はまだ始まっていないが、校外でも可能としている。

Q:先生方のモチベーションを上げるには?
渡辺様:ICT活用検討会の中で、ある小学校の先生から事例として、子供達は先生が思っているより使うのが早く、子ども達から教えてもらうことが多い。その学校の校長先生が授業を見学した感想として、パソコンを使って、先生とコミュニケーションをしている時の子ども達の顔は生き生きとしている。先生も子ども達の活用の速さを見て、子どもの可能性をすごく感じており、子どもに刺激を受けて先生のモチベーションにつながっていると思う。

Q:導入に向けての追い込みの時期で最後にできる事前準備の工夫はありますか?
渡辺様:今回、整備に注力をしてきたこともあり、工事や搬入に目が行きがちだが、先生に最低限使ってもらうための資料作りや研修を適切なタイミングで提供・実施できるかを検討している。

3. オンラインセミナー(交流会)録画データ