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北海道の小学生が疑似SNSで学ぶネットリテラシー ICT端末×イラストで深まる情報モラル教育
モバイルペイントアプリ「ibisPaint(アイビスペイント)」を開発・運営する株式会社アイビス(東証グロース、証券コード:9343、代表取締役社長:神谷 栄治)では、「アイビスペイントで広がる世界」と題した不定期連載を掲載中。世界200を超える国と地域にユーザーをもつibisPaintが、どのようなシーンで活用され、クリエイティブが生まれているのかご紹介いたします。 今回は、北海道の紋別市立紋別小学校で、SNSの疑似体験を通じて情報モラルを実践的に学ぶ取り組みを行った高田保則先生にお話を伺いました。高田先生は、Googleクラスルームを活用し、子ども同士が安全に意見を交わすことができるオンラインコミュニティを運営していました。その一環として、ibisPaintで描いたイラストを投稿・共有する「ibisPaint倶楽部」を立ち上げると、多くの作品が行き交う中で、イラストを介した温かい交流の場が生まれました。この実践を通じて、表現活動が子どもたちにもたらす変化や、デジタル時代のコミュニケーション教育のあり方についてご紹介します。 情報端末を活用した、イラストの楽しさとコミュニケーションを創造する場 ―高田先生が実施された、Googleクラスルームを使ったコミュニティ「ibisPaint倶楽部」とは、どのような活動なのか教えていただけますか? 高田先生:「ibisPaint倶楽部」は、ibisPaintを使って描いたイラストを投稿し合う、Googleクラスルーム上のコミュニティです。子どもに貸与されている情報端末でibisPaintが使えるようになったことから、子どもが自由に作品を投稿したり、それに対するリアクションを送り合うなど、交流できる場を作りました。 ―イラストの投稿やコメントのやり取りは、どれくらい活発だったのでしょうか? 高田先生:イラストは年間200件以上投稿されていたと思います。管理者として見守っていると、だいたい毎日誰かが作品を投稿してコメントのやり取りが起きていましたね。夏休みに入った直後は、時間がある子どもたちがガンガン投稿したり、パタッと投稿が止まったなと思ったら年度末で端末を学校に返した時期だったり。そうした子どもたちの日常の動静が見られるのも面白かったです。 ―他にもプログラミングについてのコミュニティや、子どもが興味をもつテーマについていくつかのクラスルームがあったと伺いましたが、「ibisPaint倶楽部」を立ち上げたきっかけは何かあったのでしょうか。 高田先生:過去に、教室に入ることができず私が担当する通級指導教室に別室登校をしていた子どもがいたのですが、なかなか気力が湧かない様子を見て「何かやりたいことはある?」と聞いたところ、「最近ハマってるアプリがあるんだよね」と言って教えてくれたのがibisPaintでした。その時に初めて知ったアプリでしたが、通級指導教室のiPadに入れて渡してみると、子どもがレイヤー機能などたくさんの機能を使いこなして見せてくれました。 これは面白いなと思い、学校の情報端末で使えるよう申請をし、実際に使用できるようになりました。すると、もともとこのアプリを知っていた子どももいたようで、休み時間にイラストを描き始める子どもが何人も現れたのです。その様子を見て「クラスルームを作って交流する場を作れば盛り上がるのでは」と思い、別室登校をしていた子どもにも相談立してち上げたのが「ibisPaint倶楽部」の始まりです。 子どもたちの自主性と主体性が育まれた「ibisPaint倶楽部」 ―不登校の子どもさんとのやり取りをきっかけに始まったという「ibisPaint倶楽部」ですが、活動が広がるなかで、子どもの皆さんにはどのような学びや成長が見られましたか? 高田先生:一番大きな学びは、「ネット空間での他者との関わり方」だと思います。今の小学生は授業の中で情報モラルについても学習するのですが、そこで扱われるのは「ネットは危ない」「個人情報を出しちゃダメ」といったリスクや制限の話に終始しがちです。しかしそれだけでは子どもが萎縮してしまったり、隠れてネットを使おうとする子が出てきてしまう可能性もあると感じました。情報モラルと言っても根底にあるのはコミュニケーション。イラストを通じた交流は、作品を褒め合ったりアドバイスしたり、自然とお互いをリスペクトする環境を作ることができました。 いずれSNSを使うことが避けられない時代に生きる今の子どもたちにとって、これらのクラスルームは教員が見守ることのできる安全な“疑似SNS”のような場でもあります。例えば子どもが不適切な投稿をしても、学校でフォローや指導をすることができます。「あの言い方は相手を傷つけるよ」「もっとこういう言葉を使ってみたら?」というように、具体的に教えることで、将来のSNSでのトラブルなどを回避できるようになってほしいなと考えています。 こうした取り組みを、数年にわたり続けられたのは、子どもたちにとってibisPaintが魅力的なアプリだったからだと感じています。 ―子どもたちの将来を守る教育的な指導にibisPaintが役立っていたことを光栄に感じています。先生から見て、皆さんはibisPaintのどんなところを楽しんでいたり、良いと感じてくれましたか? 高田先生:学校の情報端末に導入して気づいたのですが、想像以上に多くの子どもが使っていて、お互いどんなブラシを使っているか、どんな描き方をしているのか共有しやすいのは大きなポイントだと思いました。これが例えばクラスルームを「イラスト倶楽部」としていたら、いろんなアプリを使える一方で、技術的な共有や伝達はここまで活発にならなかったのかもしれません。 ―子ども同士で描き方などを教え合うやり取りが実際に起きていたのでしょうか? 高田先生:コメントの中で「これはどうやったの?教えて」というやり取りは子ども同士の中で自然に生まれていて、同じクラスの子たちは直接実演して見せたり、コメントでも教えようとする様子が見られました。また、ibisPaintは情報端末があればイラストを描き始めることができたので、様々な学年の子が気軽に参加できたのも良い点でした。もちろん学年によっても技術的な差はあるのですが、低学年の子が一生懸命描いたイラストに、高学年の子が決してけなすことなく、認めて褒めているというのも凄く良い雰囲気だったなと思います。 あとはやはり、機能性ですね。僕も画像編集ソフトを使っていた時期があったので多少の知識はありましたが、有料ソフトにある機能が気軽に使えるので驚きました。ある子どもは「ibisPaint倶楽部」をきっかけにデジタルイラストに取り組むうちに、将来的にそういう道に進みたいと考えるようになりました。本来の進学する予定だった中学校ではなく、隣の学区の美術部がある学校へ越境で進学しましたね。「ibisPaint倶楽部」がきっかけで絵が好きになり、「もっとちゃんとデッサンとか勉強したい」と話していて、今は美術部に入り、放課後はデッサンの練習をしながら絵画力を磨いてるようです。 SNS社会を生きていく子どもたちへ伝えたいこと ―全国のイラストが好きな子どもたちや、子どもの「好き」を伸ばしてあげたいと感じている大人に向けてメッセージをお願いいたします。 高田先生:子どもが何かに熱中するって、実はとても貴重なことだと思います。それが将来の仕事にならなかったとしても、「自分は熱中してここまで頑張れた」「こんな絵を描いてみんなに褒めてもらえた」という成功体験は、その先の人生の活力や意欲になるだろうと信じて、子どもたちの「好き」を伸ばしていってあげたいと考えています。 あとは、やはりネットやSNSには危険やリスクはあります。でも「ibisPaint倶楽部」で子どもたちが経験したようなポジティブな交流が生まれることもある。だからこそ、大人になってもポジティブにネットを活用して欲しいですし、そのきっかけを作れる大人でありたいと思っています。子どもたちには、自分の好きな事・楽しいと思うことをとことん突き詰めてほしいですし、大人はある程度は委ねる部分と、しっかり見守る部分とで背中を押していってほしいと思います。 ―ibisPaintを通じた教育的な取り組みが、子どもたちの学びや自己表現を後押ししていることを知ることができ、大きな励みとなりました。ibisPaint Eduの開発・運営を行う当社としても、こうした実践を今後も応援してまいります。本日はありがとうございました!

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