8月31日(水)に「子どもの関わり方について、あなたの悩みをお聞かせください ~飲食・アルコール自由~」というテーマで交流会セミナーを開催しました。
交流会サブ部会では、「学習者起点の学びの促進」というテーマで議論を重ねてきました。本セミナーは、多くの子どもに関わる方々に参加して頂き、日々の悩みを共有することにより、学習者起点の学びとは何かを探っていこうとする企画でした。当日は、学校教育関係者はもちろん民間事業者など多彩な方々に多くご参加いただけました。
○登壇者(セミナー冒頭での悩みを共有して頂いた方)
南房総市立富山中学校 篠原 準 様
宇治市立御蔵山小学校 西田 凌己 様
○ファシリテーター
南房総市立富山中学校 野口 雄毅
社会デザイン協会/松蔭大学 鈴木 秀顕
松戸市立和名ケ谷中学校 高瀬 浩之
三鷹市立第七小学校 後藤 裕介
交流会サブ部会長 富士通Japan 應田 博司
〇目次
(1)趣旨説明
(2)登壇者による悩みの共有
(3)参加者による悩みの共有
(4)まとめ
(1)趣旨説明
令和の日本型学校教育の姿のひとつとして、個別最適な学びの実現があります。これは、「学習者起点の学び」の姿です。また、新学習指導要領の主体的な学びは、「学習者起点の学び」の一側面を持っています。この主体的な学びは、多くの学校で課題発見・解決学習やアクティブ・ラーニングとして事例を聞くようになりました。
一方、GIGAスクール構想は、義務教育段階における端末整備はほぼ完了し「アフターGIGA」のフェーズに入りました。ICT を教育現場でどう利活用していくかを検討・実践する段階と位置づけられています。
現在、「学習者起点の学び」が促進できているのでしょうか。
一斉授業の授業形式、不登校生徒の増加、GIGA端末を導入後の生徒指導件数の増加など、学校現場の繁忙さを踏まえると多くの学校や教職員で悩みを抱えているはずです。
このような状況を踏まえて、子どもたちのための「学習者起点の学び」の促進に向けて、現場教員の生の声を拾い上げ、課題を共有し、全5回シリーズで、その解決に迫る方策を考えていきたいと思います。
(2)登壇者による悩みの共有
南房総市立富山中学校 篠原 準 様より
・学習者起点の学びを実現させるための「知識・技能」の習得の場・時間確保の課題
・ICT機器の活用(堪能な方とそうではない方の差)
・メディア消費時間と学習の定着の相関関係が出ている
・家庭の教育力
・教師の指導力の確保
・働き方改革
宇治市立御蔵山小学校 西田 凌己 様より
・誰に相談したら良いのかがわからない
・1年生の授業全般(主に国語)において何を子どもたちに伝えたいかがわからない
・新しい授業デザインを考えているが今までのトーク&チョーク(板書、教師主体)の授業をすることが「当たり前!」という風潮?雰囲気?
・ICT について「そんなことをするのは授業が上手になってから。」「1年生は書くことが大切!ICT は使えるところがあったらね。」
・教室環境の UD 化を進めていたがどのように校内に発信したらよいかわからない。していいのか不安。
・もっと校外の先生方と交流をして共に頑張る仲間やアウトプットできる場を見つけたい。
(3)参加者による悩みの共有
・不登校の子どもの学習支援は、子どもが学習の選択できる支援が必要で、学校、NPO、地域、保護者などと連携して支援をしているが、自ら選択し学びだす子どもへの支援方法に悩みを抱えている。
・学習者起点は、子ども一人ひとりに合わせて学習過程を組み、支援をしようと取り組んでいるが、時間が圧倒的に足りない。他の校務時間を削減しようとしている。また、学習ログを活用できないか考えている。
・ICTに関係になく、教育の原点を見つめ考える必要があるのではないか。
・これまでの学校現場は、実施する内容が増えることはあっても、減ることはなかった。学習者起点の学習を展開するためにも、今一度教育の目的を見直し、精選・効率化できるものは、大きく変えていく動きが必要ではないか。またその際ICTを活用することができるのではないか。
(4)まとめ
多くの方々の現場での子どもに対する取り組みや悩みを数多く共有でき、充実した時間を過ごすことができました。参加者の方々のご発言から「学習者起点の学びの促進」に向けた視点やキーワードを多く聞けただけではなく、異なる地域、職種、年齢での交流が日常と離れた空間となり、ざっくばらんな雰囲気で、楽しい時間を過ごすことができました。本セミナーを次回につなげ、参加者が集い、子どもの成長に向けた企画を考えていきたいと思います。
参加者より
・小学校の先生が多かったので新しい方とお話しできたのがよかったです。
・気楽な会でざっくばらんにできたのでよかったです。
・様々な立場の方からの意見を交換することができ、満足です。
・みなさんの「悩み」や困っていることが、本当に素直な形で共有できたと思います。
・先生方の大変な現場が一部分わかりました。ありがとうございます。
・もっと深掘りしたいテーマでした。次回も楽しみです。
・悩み解決に向けて取り組まれていることも教えていただきたいです。
・大変勉強になりました。
・またやりたいですね!
・もう一回くらい「悩み共有」という時間があってもよいと思います。
・明日からの活力がもらえました。ありがとうございました。
・いろんな悩みやアイディアを交換できれば嬉しいです。次回も参加できればと思います。
最後に
短い時間ではありましたが、ご登壇いただいた皆様、そしてご参加いただいた皆様のおかげで素晴らしい交流会セミナーとなりました。あらためまして感謝申し上げます。今後も皆様にとって実りある企画を実施していこうと思いますので、宜しくお願い致します。